令和二年 青山学院大学法・国際 政治経済 大問1 問1
問題
日本の高度経済成長に関する下の①~④の記述のなかで、正しいものはどれか。1つ選び、その数字をマークしなさい。
① 池田内閣が掲げた所得倍増計画は、当初の目標であった10年間では達成できなかった。
② 高度経済成長期の前半には、景気が拡大すれば経常収支が黒字となるという国際収支の天井問題が生じた。
③ 高度経済成長期に1ドル=360円で固定されていた為替レートは、日本が輸出を増加させるのに不利な条件となった。
④ 高度経済成長によって日本の国民総生産は、アメリカに次いで資本主義国第2位になった。
解説
正解:④
復習用資料:経済分野第一章/国際経済の仕組み
復習用資料:経済分野第四章/高度経済成長期
復習用資料:経済分野第四章/安定成長期
復習用資料:経済分野第四章/失われた三十年
・日本経済史、及び経済史を理解する上での基本となる知識を問う問題
・基礎問題か応用問題かで言えば「難しい基礎問題」と表現できる
・こういう問題は、落とさないようにしたいところである
① 池田内閣が掲げた所得倍増計画は、当初の目標であった10年間では達成できなかった。
・誤文である
・本当に達成してしまったのが、高度経済成長期の凄いところであると言える
※無論、高度経済成長期は経済成長に合わせて相応にインフレもしていた
② 高度経済成長期の前半には、景気が拡大すれば経常収支が黒字となるという国際収支の天井問題が生じた。
・誤文である
・高度経済成長期前半は、よく民間主導、内需主導と言われる
・即ち、以下のような形で経済成長したのが、神武景気や岩戸景気である
1:日本の会社が日本国内の工場で作った商品が日本人に売れる
2:儲かった日本の会社が、日本国内へ投資する(日本国内に工場を新しく作ったり、国内工場に新しい機械を導入したりする
3:日本の会社が日本国内の工場で作った商品が、日本人にもっと売れる
4:もっと儲かった日本の会社が、日本国内へもっと投資する
以下繰り返し
・但し、この頃の日本企業は、商品を作る為の機械を外国から輸入していた
・つまり、高度経済成長期前半は、景気が良くなれば良くなるほど輸入が増える
・もっと言えば、景気が良くなれば良くなるほど貿易赤字になる。これが高度経済成長期前半である
・貿易赤字が続くと困るのは、自国通貨が基軸通貨でない場合である
・例えば当時、米ドルだけが基軸通貨であった
・即ち、貿易の決済(支払い)に使えるのは、米ドルだけであった
・貿易赤字が続くと、日本国の手持ちの米ドルが払底し、一切の輸入が不可能となる可能性がある
・それは困る…という事で、高度経済成長期前半は、ある一定以上に景気が良くなる事はなかった
・それこそ神武景気が終わったのは、貿易赤字の累積を恐れた政府が景気の引き締めに走ったからである
・これがいわゆる、高度経済成長期前半に於ける、貿易赤字の天井問題である
③ 高度経済成長期に1ドル=360円で固定されていた為替レートは、日本が輸出を増加させるのに不利な条件となった。
・誤文である
・基本的に、円安なら輸出に有利となり、円高なら輸入に有利となる
・そして令和六年現在、円の相場は1ドル=150円前後で推移している
・これは、1ドル=360円の二倍以上の高値である
・という訳で、1ドル=360円という相場は、かなりの円安と言える
・そして円安で有利になるのは輸出。明らかな誤文である
④ 高度経済成長によって日本の国民総生産は、アメリカに次いで資本主義国第2位になった。
・正文である