令和六年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済

第1問

※全く見る価値のないリード文省略

問1

生徒Xは、講座後、下線部「成人年齢」にかかわる制度について調べた。現在の日本の制度に関する記述として誤っているものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

①18歳以上の者は、選挙運動期間中に特定の候補者への投票を電話をかけて依頼することができる。
②憲法改正に関する国民投票で投票権を有する年齢は、18歳以上である。
③刑事罰の適用の対象とならない年齢は、18歳未満である。
④親権者などの法定代理人の同意なく18歳未満の者が単独で締結した契約は、原則として取り消すことができる。

#時事問題

問1解説

問2

選挙に関心をもった生徒Xは、選挙制度が選挙結果に与える影響についてモデルケースで考え、次のメモを作成した。メモ中の空欄( ア )〜( ウ )に当てはまる語句の組合せとして正しいものを、後の①〜⑧のうちから一つ選べ。

 ある議会の定員は10人で、各選挙区の各有権者は候補者1人に投票し、各選挙区で得票数の多い順に候補者2人が当選者となる。この議会の選挙区おいて、三つの政党A〜Cが五つの選挙区a〜eで、それぞれ1人の候補者を立てた。次の表は、この選挙区での各候補者の得票数を示したものである。表において、得票数の合計が最も少ない政党は、当選者数が最も( ア )
 いま、選挙制度が変更されたとする。変更後は、議会の定員は5人で、議員は小選挙区制で選出される。各選挙区で政党は変更前と同じ候補者1人を立て、有権者は変更前と同じ候補者に投票する。このとき、死票の数は変更前より( イ )する。そして、得票数の合計が最も少ない政党は、当選者数が最も( ウ )。
 このように、選挙制度が選挙結果に与える影響を考える際には、得票数と獲得議席数との関係、死票の数など、複数の観点からの考慮が必要である。

選挙区 A党 B党 C党 合計
a 10 25 65 100
b 25 30 45 100
c 15 20 65 100
d 40 25 15 100
e 40 35 25 100
合計 150 135 215 500

① ア 多い  イ 増加  ウ 多い
② ア 多い  イ 増加  ウ 少ない
③ ア 多い  イ 減少  ウ 多い
④ ア 多い  イ 減少  ウ 少ない
⑤ ア 少ない  イ 増加  ウ 多い
⑥ ア 少ない  イ 増加  ウ 少ない
⑦ ア 少ない  イ 減少  ウ 多い
⑧ ア 少ない  イ 減少  ウ 少ない

#選挙制度 #国語問題 #計算問題

問2解説

問3

住民参加に関連して、生徒Xと生徒Yは、講座の内容を振り返りながら、現在の日本の地方公共団体において住民が政治に参加する仕組みについて話し合っている。次の会話文中の空欄( ア )〜( ウ )に当てはまる語句の組合せとして正しいものを、後の①〜⑧のうちから一つ選べ。

X:政治へのかかわり方は、年齢などによって違ってくるんだね。政治に参加する仕組みといえば、すぐに思いつくのは選挙だけど、私たち住民は選挙の時にしか政治にかかわることはできないのかな。
Y:「政治・経済」の授業では、選挙とは別に住民の意見を地方公共団体へ届ける手段として、( ア )の手続が重要だと学習したよね。
X:そういえば、その手続の一つとして新たな条例の制定を求めることができたよね。
Y:そうだね。だけど、条例の制定を求める場合、その地方公共団体の有権者の( イ )以上の署名を集める必要があるよ。
X:条例制定の提案ほど意見がまとまっていなくても、もっと簡単に住民の意見を地方公共団体へ伝える方法はないのかな。たとえば、近所の公園を市が別の場所へ移転させると聞いたけど、その方針が一度決まってしまったら、「公園を残してほしい」という私の意見は、市に伝えられないのかな。
Y:憲法第16条には、( ウ )についての規定があって、地方公共団体の政策などに関しても平穏に希望や要望を述べることができるよ。この規定によると、年齢にかかわらず意見を地方公共団体へ届けられるね。

① ア 情報公開  イ 3分の1  ウ 請願権
② ア 情報公開  イ 3分の1  ウ 再議
③ ア 情報公開  イ 50分の1  ウ 請願権
④ ア 情報公開  イ 50分の1  ウ 再議
⑤ ア 直接請求  イ 3分の1  ウ 請願権
⑥ ア 直接請求  イ 3分の1  ウ 再議
⑦ ア 直接請求  イ 50分の1  ウ 請願権
⑧ ア 直接請求  イ 50分の1  ウ 再議

#地方自治

問3解説

問4

裁判員に関心をもった生徒Xは、講座後に図書館で関連する書籍などを参照して、諸国の刑事裁判への市民参加の制度についてまとめ、次のメモを作成した。メモ中の空欄( ア )〜( ウ )に当てはまるものの組合せとして正しいものを、後の①〜⑧のうちから一つ選べ。

 日本に裁判員制度を導入するにあたって、アメリカの陪審制度やドイツの参審制度など、諸外国の刑事裁判への市民参加の制度が参考とされた。アメリカやドイツの制度は地域ごとに異なるところがあるものの、日本と比較するとおおむね次のようになる。
 選任については、アメリカでは、陪審員は事件ごとに選ばれる。ドイツでは、参審員は一定年数の任期で選ばれる。日本では、裁判員は裁判員候補者名簿の中から( ア )選ばれる。
 また、アメリカでは、有罪か無罪かの判断は、陪審員のみで行い、量刑の判断に陪審員は加わらない。ドイツでは、有罪か無罪かの判断は、参審員と裁判官が合議で行い、量刑の判断で参審員は加わる。日本では、有罪か無罪かの判断は、( イ )行い、量刑の判断で裁判員は( ウ )。
 このように、日本の裁判員制度は、アメリカの陪審制度とドイツの参審制度のそれぞれと似たところも異なるところもあり、市民の司法参加の制度として独特なものとなっている。

① ア 事件ごとに  イ 裁判員のみで  ウ 加わる
② ア 事件ごとに  イ 裁判員のみで  ウ 加わらない
③ ア 事件ごとに  イ 裁判員と裁判官が合議で  ウ 加わる
④ ア 事件ごとに  イ 裁判員と裁判官が合議で  ウ 加わらない
⑤ ア 一定年数の任期で  イ 裁判員のみで  ウ 加わる
⑥ ア 一定年数の任期で  イ 裁判員のみで  ウ 加わらない
⑦ ア 一定年数の任期で  イ 裁判員と裁判官が合議で  ウ 加わる
⑧ ア 一定年数の任期で  イ 裁判員と裁判官が合議で  ウ 加わらない

#司法府(裁判所)

問4解説

問5

生徒Xと生徒Yは、職業選択に関心をもち、雇用や失業などの労働市場に関する情報を集めた。XとYは、次の資料1〜3をみながら話し合っている。後の会話文中の空欄( ア )〜( ウ )に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑧のうちから一つ選べ。

X:講師の先生が、「2010年代後半は労働市場が売り手市場になっていて、就職がしやすくなっていた」と話していたのが気になって調べてみたよ。
Y:資料1をみると、たしかにそうなっていたことがわかるね。でも、2014年以降は求人数が求職者数を( ア )いるのに完全失業率がゼロにならなかったのは、何が原因なのかな。
X:資料2をみると、「事務的職業」は労働力の需要量が( イ )いて、「輸送・機械運転の職業」は労働力の供給量が( イ )いるから、職種によるミスマッチが起こっているといえるね。
Y:なるほど資料3をみるとどういうことがわかるのかな。
X:資料3は、2002年から2006年の間の完全失業率が高くなった原因がわかるものだよ。資料1の2002年から2006年の間は、2010年から2014年の間と比べると、有効求人倍率が同じ程度で推移しているのに完全失業率が上回っているから、何が原因か調べてみたんだ。「労働経済白書」では、資料3が掲載されていて、( ウ )の労働力の需要量が( イ )いることが就職を難しくしていると分析されていたんだ。つまり、雇用形態別の労働力の需給関係の違いも、失業者数の増減を左右する原因になる可能性があるということだね。

① ア 上回って  イ 過剰になって  ウ フルタイム
② ア 上回って  イ 過剰になって  ウ パートタイム
③ ア 上回って  イ 不足して  ウ フルタイム
④ ア 上回って  イ 不足して  ウ パートタイム
⑤ ア 下回って  イ 過剰になって  ウ フルタイム
⑥ ア 下回って  イ 過剰になって  ウ パートタイム
⑦ ア 下回って  イ 不足して  ウ フルタイム
⑧ ア 下回って  イ 不足して  ウ パートタイム

#国語問題

問5解説

問6

家計に関心をもった生徒Yは、講座で配布された次の資料を見返し、分析した結果を後のノートにまとめた。ノート中の空欄( ア )には資料中の例aか例bのいずれかが当てはまる。ノート中の空欄( ア )・( イ )に当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後の①〜④のうちから一つ選べ。

資料 単身勤労世帯3例における1年間の家計収支の平均月額(単位:千円)

  例a 例b 例c
実収入 550 310 140
実支出 450 240 130
 消費支出 300 180 100
  うち食料費 60 42 30
 非消費支出(直接税、社会保険料) 150 60 20

ノート
○家計は、可処分所得の制約の下で最大の満足感が得られるように、消費する財やサービスを選択し、消費支出額と貯蓄額を決定する。資料中の例aと例bとを比較すると、可処分所得に占める消費支出の割合である平均消費性向は( ア )の方が高い。
○可処分所得が少なくなると、生活必需品の支出の割合が高くなることは避けられない。こうした点に着目した指標がエンゲル係数である。資料中でも可処分所得の最も少ない例cのエンゲル係数が最も高くなっており、その値は( イ )%となる。

① ア 例a  イ 25%
② ア 例a  イ 30%
③ ア 例b  イ 25%
④ ア 例b  イ 30%

#貧富の格差を表す指標

問6解説

問7

生徒Yは、社会の変化によって生活困難に遭遇するリスクが高まる中での社会保障の意義に関心をもち、その意義を具体化する仕組みについて調べた。次の記述ア〜ウのうち、日本における社会保険制度、公的扶助制度、社会福祉制度それぞれの基本的な特徴に関する記述として正しいものはどれか。当てはまるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑦のうちから一つ選べ。

ア 社会保険制度では、原則としてあらかじめ保険料が拠出されていて、疾病や老齢などの保険の対象となる事由が発生した当事者に対して諸給付が行われる。

イ 公的扶助制度では、生活に困難し、最低限度の生活水準に満たない状態になった当事者に対して保険料から生活に必要な諸給付が行われる。

ウ 社会福祉制度では、老齢、障害などによって社会生活を送る上での支援が必要な当事者に対してサービスの提供などが行われる。

① ア
② イ
③ ウ
④ アとイ
⑤ アとウ
⑥ イとウ
⑦ アとイとウ

#社会保障

問7解説

問8

生徒Yは、日本の行政機構の変化について調べた。2000年以降における日本の行政機構の変化に関する記述として誤っているものを、次の①〜④のうちから一つ選べ。

① 消費者行政の一元化などを目的として新設された「消費者庁」は、内閣府におかれている。
② 東日本大震災からの復興を円滑かつ迅速に進めることなどを目的として、「復興庁」が新設された。
③ 行政手続のオンライン化によるデジタル化社会の形成などを目的として、「デジタル庁」が新設された。
④ 子どもと家庭の福祉保健政策を総合的に進めることなどを目的として新設された「こども家庭庁」は、厚生労働省におかれている。

#時事問題

問8解説

第2問

問1

生徒Xは、近代国家の成立について調べ、国家の強制力に関する次の資料をみつけた(なお、資料には表記を改めた箇所や省略した箇所がある)。資料から読みとれる内容として最も適当なものを、後の①〜④のうちから一つ選べ。

「もちろん暴力行使は、国家にとってノーマルな手段でもまた唯一の手段でもない…(略)…が、おそらく国家に特有な手段となるだろう。そして実際今日、この暴力に対する国家の関係は特別に緊密なのである。過去においては、氏族(ジッペ)を始めとする多種多様な団体が、物理的暴力をまったくノーマルな手段として認めていた。ところが今日では、次のように言わねばならない。国家とは、ある一定の領域の内部で…(略)…正当な物理的暴力行使の独占を(実効的に)要求する人間共同体である、と。国家以外のすべての団体や個人に対しては、国家の側で許容した範囲内でしか、物理的暴力行使の権利が認められないということ、つまり国家が暴力行使への『権利』の唯一の源泉とみなされているということ、これは確かに現代に特有な現象である。」

(注)「氏族」とは、共通の祖先をもつ人々の集団のことをいう。
(出所)マックス・ヴェーバー(ウェーバー)『職業としての政治』脇圭平訳

① 資料中の過去においては、暴力行使は国家に特有の手段であり、国家が用いる通常かつ唯一の手段でもある。
② 資料中の今日において、国家と暴力の関係は特別に緊密であるが、それ以外に暴力行使はないかなる団体にも認められたことがない。
③ 資料中の今日において、国家はある一定の領域の内部における正当な物理的暴力行使の唯一の源泉とみなされている。
④ 資料中の過去においては、国家の許容した範囲内でのみ、国家以外の団体や個人が物理的暴力を行使することが認められていた。

#国語問題

問1解説

問2

生徒Xは、国家が運営する社会保障の仕組みに注目し、日本の雇用保険と労働者災害補償保険(労災保険)について次のメモを作成した。メモ中の空欄( ア )には後の記述aかb、空欄( イ )には後の記述cかdのいずれかが当てはまる。空欄( ア )・( イ )に当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後の①〜④のうちから一つ選べ。

○雇用保険
労働者が失業したときなどに給付を行う制度である。労働者が失業したときの主な給付の財源の負担者は、( ア )。

○労災保険
労働者が業務に起因して負傷したり病気になったりしたときなどに給付を行う制度である。給付の財源となる保険料の負担者は、( イ )。

( ア )に当てはまる記述
a 失業が事業主の経営判断や労働者の転職・求職行動を原因として生じるという考え方により、事業主と労働者とされている
b 失業が政府の経済政策や雇用政策と無縁ではなく事業主や労働者だけでは対処できない原因でも生じるという考え方により、事業主、労働者、政府の三者とされている

( イ )に当てはまる記述
c 給付を受けうる労働者も負担すべきという考え方により、事業主と労働者とされている
d 事業から利益を得る事業主が負担すべきという考え方により、事業主のみとされている

① ア-a イ-c
② ア-a イ-d
③ ア-b イ-c
④ ア-b イ-d

#社会保障

問2解説

問3

生徒Xは、国家の運営を支える公務員が結成する団体について調べてみた。そして、Xは、日本における公務員の労働基本権に関する次の資料をみながら、生徒Yと議論している(なお、資料には表記を改めた箇所や省略した箇所がある)。資料中の空欄( ア )には後の語句aかbのいずれかが当てはまる。また、後の会話文中の空欄( イ )には後の語句cかd、空欄( ウ )には後の記述eかfのいずれかが当てはまる。空欄( ア )〜( ウ )に当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑧のうちから一つ選べ。

「公務員の従事する職務には公共性がある一方、法律によりその主要な勤務条件が定められ、身分が保障されているほか、適切な代償措置が講じられているのであるから、…(略)…公務員の( ア )およびそのあおり行為等を禁じるのは、勤労者を含めた国民全体の共同利益の見地からうるやむをえない制度といわざるをえず、憲法28条に違反するものではない。」
(出所)最高裁判所刑事判例集27巻4号

X:この資料は、全農林警職法事件の最高裁判所の判決だね。判決がいう代償措置とは、たとえば、( イ )が国家公務員の給与などの勤務条件の改善を勧告する制度のことだよね。
Y:そうだね。だけど、勧告された内容を国が実施しない場合には本当に代償措置があるといえるのかな。
X:Yさんの疑問もわかるよ。でも、この判決がいうように、公務員の職務に公共性があることなどの事情を考慮すると、現行法で、( ウ )と思うよ。
Y:そうなのかな。使用者と実質的に対等な地位に立つことを可能にするという労働基本権の趣旨からすれば、たとえば、代償措置が役割を果たしていないというときは、判決とは違う結論もとれると思うよ。

( ア )に当てはまる語句
a 不当労働行為
b 争議行為

( イ )に当てはまる語句
c 人事院
d 内閣人事局

( ウ )に当てはまる記述
e 一般職の国家公務員は勤務条件の維持改善を目的とする職員団体をつくることができ、職員団体から申入れを受けた機関は交渉に応ずべき地位にあるものとされることはどまっているのもやむをえない
f 一般職の国家公務員は勤務条件の維持改善を目的とする職員団体をつくることができないとされる代わりに、国会が勤務条件を法律で定めてその適正さを確保しようとするのもやむをえない

① ア-a イ-c ウ-e   ② ア-a イ-c ウ-f
③ ア-a イ-d ウ-e   ④ ア-a イ-d ウ-f
⑤ ア-b イ-c ウ-e   ⑥ ア-b イ-c ウ-f
⑦ ア-b イ-d ウ-e   ⑧ ア-b イ-d ウ-f

#労働問題

問3解説

問4

国と地方公共団体との関係に関心をもった生徒Xは、両者の関係に関する日本国憲法や地方自治法の規定を調べ、次のメモを作成した。メモ中の空欄( ア )には後の語句aかb、空欄( イ )には後の記述cかdのいずれかが当てはまる。空欄( ア )・( イ )に当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後の①〜④のうちから一つ選べ。

 憲法第92条は、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める」としている。この「地方自治の本旨」の内容のうち、国から独立した団体を設け、その団体の意思と責任において地方の事務を処理するべきであるという考え方を、( ア )の原則という。
 また、1999年の地方分権一括法による改正で新たに設けられた地方自治法第1条の2は、憲法第92条を踏まえて、地方公共団体の役割について、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」と定めている。そして、それに続けて同項は、国の役割について、「国が本来果たすべき役割を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本として、地方公共団体との間で適切な役割を分担するともに、地方公共団体に関する制度の策定及び施策の実施に当たって、地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならない」とする。ここでは、( イ )という両者の関係が定められている。

( ア )に当てはまる語句
a 団体自治
b 住民自治

( イ )に当てはまる記述
c 住民に身近な行政については、まずは国が責任を負い、国は地方公共団体に対して指揮監督を行う
d 住民に身近な行政については、まずは地方公共団体が責任を負い、国は地方公共団体による施策の実施を補助する

① ア-a  イ-c
② ア-a  イ-d
③ ア-b  イ-c
④ ア-b  イ-d

#地方自治

問4解説

問5

宗教団体に関心をもった生徒Yは、日本国憲法における宗教に関する規定について調べた。信教の自由や政教分離の原則に関する次の記述ア〜ウのうち、正しいものはどれか。当てはまるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑦のうちから一つ選べ。

ア 宗教団体などを結成する宗教的結社の自由は、憲法が保障する信教の自由に含まれる。
イ 一定の要件を満たした宗教団体には、国から特権を受けたり政治上の権力を行使したりすることが憲法上認められている。
ウ 国および地方公共団体は、宗教教育をはじめとして、いかなる宗教的活動も行ってはならない。

① ア
② イ
③ ウ
④ アとイ
⑤ アとウ
⑥ イとウ
⑦ アとイとウ

#日本国憲法と人権(自由権)

問5解説

問6

消費者団体に関心をもった生徒Yは、特定商取引法等にも消費者団体訴訟制度を導入した2008年の法改正について調べ、次のメモを作成した。メモ中から読みとれる内容として最も適当なものを、後の①〜④のうちから一つ選べ。

1.改正の内容
○事業者の不当な行為について、その行為の中止を命じるなどの従来の行政による規制(行政規制)に加え、国が認定した消費者団体(適格消費者団体)が事業者の行為の差止めを求める訴訟(差止請求訴訟)を提起できる制度を導入する。

2.改正の背景
○商品・役務の内容の多様化を背景に、特定商取引法等に違反する不当な行為による消費者被害が急増した。
○消費者被害には、同種の被害が不特定多数の者に急速に拡大するという特徴があり、特定商取引法等が定める行政規制だけでは、被害の未然防止や拡大防止が十分にできなかった。

3.消費者団体訴訟制度を導入するねらい
○適格消費者団体が消費者に身近な存在として活動し、情報を早期に収集して差止請求を機動的に行うことなどが期待できる。
○行政機関の人員や予算などの資源(行政資源)を、より迅速な対応が求められる重大な消費者被害に集中させることが可能になるという副次的効果も期待できる。

① 特定商取引法等にも消費者団体訴訟制度を導入した背景の一つとして、違反行為に対処する上での行政規制の過剰があげられる。
② 民事上のルールである消費者団体訴訟制度の活用は、事業者の経済活動に対する規制緩和の一環ということができる。
③ 消費者被害の未然防止や拡大防止のための取組みは、適格消費者団体のみが行うこととなった。
④ 消費者団体訴訟制度の導入には、限りのある行政資源を重大な消費者被害に集中的に投入することを可能にするという効果も想定される。

#国語問題 #消費者問題

問6解説

問7

生徒Yは、日本の会社の組織や責任について、生徒Xと議論している。次の会話文中の空欄( ア )には後の語句aかb、空欄( イ )には後の語句cかd、空欄( ウ )には後の記述eかfのいずれかが当てはまる。空欄( ア )〜( ウ )に当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑧のうちから一つ選べ。

Y:株式会社では、株主は、会社の債務に対して、( ア )よ。
X:会社の債務について出資者がどこまで責任を負うかは、( イ )も同じだね。
Y:そうだね。だけど、株主が( ア )という立場を超える場合、自らの経済的利益を優先し、社会にとって望ましくない活動を会社にさせるという意見もあるよ。
X:( ウ )は、そうした事態を避けるために有効だよね。

( ア )に当てはまる記述
a 出資額をこえた責任は負わない
b 出資額をこえた責任を負う

( イ )に当てはまる語句
c 合同会社
d 合名会社

( ウ )に当てはまる記述
e 会社が株主代表訴訟を通じて株主の責任を追及していくこと
f 会社に社会的責任を果たさせて幅広いステークホルダーの利益を確保すること

① ア-a  イ-c ウ-e
② ア-a  イ-c ウ-f
③ ア-a  イ-d ウ-e
④ ア-a  イ-d ウ-f
⑤ ア-b  イ-c ウ-e
⑥ ア-b  イ-c ウ-f
⑦ ア-b  イ-d ウ-e
⑧ ア-b  イ-d ウ-f

#企業とは

問7解説

問8

家族という集団に関心をもった生徒Yは、日本の2009年の臓器移植法改正について調べ、脳死した者(以下、「本人」という)に家族がいる場合における制度の改正前後の内容を次のメモにまとめた。後の記述ア〜ウのうち、メモから読みとれる内容として正しいものはどれか。当てはまるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑦のうちから一つ選べ。

2009年の法改正前の制度
○移植のために医師が臓器を摘出できるのは、本人が書面で臓器を提供する意思を表示しており、家族が拒まないときに限る。
○臓器を提供する意思を表示できるのは15歳以上の者に限る。

2009年の法改正後の制度
○移植のために医師が臓器を摘出できるのは、本人が書面で臓器を提供する意思を表示しており家族が拒まないときか、または、本人の臓器提供の意思は不明であるが家族が書面で臓器提供を承諾するときに限る。
○臓器を提供する意思を表示できるのは15歳以上の者に限られるが、臓器を提供しない意思は年齢にかかわらず表示できる。臓器を提供しない意思を表示していない15歳未満の者については、家族が書面で臓器提供を承諾することにより、移植のために医師が臓器を摘出できる。

ア 法改正の前後を通じて、本人が臓器を提供しない意思を表示していれば医師は臓器を摘出できないため、臓器を提供しないという本人の自己決定は、家族の意思にかかわらず実現される仕組みとなっている。
イ 法改正後は、本人の年齢にかかわらず、本人の臓器提供の意思が不明なときには家族の書面による承諾で医師が臓器を摘出できるが、本人が臓器を提供しない意思を表示しているときには臓器を摘出できない仕組みとなっている。
ウ 法改正後は、本人が臓器を提供する意思を書面で表示していれば家族が反対していても医師は臓器を摘出でき、臓器を提供すると本人の自己決定は、家族の意思にかかわらず実現される仕組みとなっている。

① ア
② イ
③ ウ
④ アとイ
⑤ アとウ
⑥ イとウ
⑦ アとイとウ

#国語問題

問8解説

第3問

問1

生徒Xは、付加価値について身近な例で考えるために、次のメモを作成した。メモ中の空欄( ア )〜( オ )には、それぞれ数値が入る。空欄( エ )・( オ )に入る数値の組合せとして正しいものを、後の①〜⑥のうちから一つ選べ。

 国で生産できる財が「小麦」、「小麦粉」、「パン」だけであると仮定し、小麦を生産する農家、その小麦を小麦粉にする製粉会社、その小麦粉でパンを作る製パン会社からなる経済を考える。ここでは、1年間に小麦500袋と小麦粉1,000kgとパン10,000個が生産されたとする。農家は、生産した小麦のすべてを製粉会社に計50万円で販売した。製粉会社は、その小麦をすべて加工して1,000kgの小麦粉を生産し、それをすべて製パン会社に計150万円で販売した。製パン会社は、製粉会社から購入した小麦粉をすべて使って10,000個のパンを製造し、それをすべて消費者に計400万円で販売した。製パン会社、製粉会社、農家のそれぞれの生産に必要な中間投入物は、小麦、小麦粉以外にはないものとする。
 ここまでを整理すると次の表のようになる。

  農家 製粉会社 製パン会社
生産総額 50 150 400
中間投入物の額 0 ( ア ) ( イ )
付加価値額 50 ( ウ ) ( エ )

 以上のような経済活動が行われた場合、製パン会社の生み出した付加価値額は( エ )万円であり、この国のGDPは( オ )万円である。

① エ 250  オ 250
② エ 250  オ 400
③ エ 250  オ 600
④ エ 400  オ 250
⑤ エ 400  オ 400
⑥ エ 400  オ 600

#計算問題 #国語問題 #フローとストック #良問

問1解説

問2

生徒Xと生徒Yは、GDP(国内総生産)について講義で学んだことを確認し合っている。次の会話文中の空欄( ア )には後の語句aかb、空欄( イ )には後の語句cかd、空欄( ウ )には後の記述eかfのいずれかが当てはまる。空欄( ア )〜( ウ )に当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑧のうちから一つ選べ。

X:GDPは一国の経済活動の規模を表す指標だね。
Y:そうだね。GDPに海外からの純所得を加え、固定資本減耗を除き、そこからさらに間接税を差し引き、補助金を加えた額は( ア )と呼ばれるよ。( ア )は一国経済の中でどのように分配されるのかな。
X:生産に貢献した者に分配されるんだよ。分配された総額が、どのように( イ )に充てられたかという点も興味深いね。
Y:確かにそうだね。生産面からみた総額と、分配面からみた総額と、( イ )面からみた総額とは、それぞれの大きさを比較するとどれが一番大きいんだろうか。
X:もちろん、( ウ )よ。

( ア )に当てはまる語句
a GNI(国民総所得)
b NI(国民所得)

( イ )に当てはまる語句
c 支出
d 投資

( ウ )に当てはまる記述
e 生産面からみた総額が一番大きい
f どの面からみた総額もすべて等しい

① ア-a  イ-c  ウ-e   ② ア-a  イ-c  ウ-f
③ ア-a  イ-d  ウ-e   ④ ア-a  イ-d  ウ-f
⑤ ア-b  イ-c  ウ-e   ⑥ ア-b  イ-c  ウ-f
⑦ ア-b  イ-d  ウ-e   ⑧ ア-b  イ-d  ウ-f

#フローとストック  #良問

問2解説

問3

生徒Xは、市場の失敗の例を考えた。次の記述ア〜ウのうち、市場の失敗の例として正しいものはどれか。当てはまるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑦のうちから一つ選べ。

ア 市場で特定の企業の支配が進み、その企業が価格支配力をもつ。
イ ある企業の周辺の住民が、対価を受け取ることなく企業活動による不利益を被る。
ウ 市場で取引を行う場合、売り手がもっている情報をすべて買い手ももっている。

① ア
② イ
③ ウ
④ アとイ
⑤ アとウ
⑥ イとウ
⑦ アとイとウ

#市場の失敗

問3解説

問4

物価に関連して、生徒Xは、GDPデフレーターについて調べ、次のメモを作成した。メモ中の空欄( ア )には後の数値a〜dのいずれか、空欄( イ )には後の語句eかfのいずれかが当てはまる。空欄( ア )〜( イ )に当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑧のうちから一つ選べ。

○GDPには名目GDPと実質GDPがある。
○GDPデフレーターは、基準年の値を100とする物価変動の指標である。
○たとえば、2010年の名目GDPは400兆円、2020年の名目GDPは540兆円、2010年の実質GDPは400兆円、2020年の実質GDPは360兆円である経済を考えた場合、2010年を基準年とした場合の、2020年のGDPデフレーターは( ア )である。
○この結果をみると、基準年と比較して2020年の物価は( イ )したといえる。

( ア )に当てはまる数値
a 66
b 90
c 135
d 150

( イ )に当てはまる語句
e 上昇
f 下降

① ア-a  イ-e
② ア-a  イ-f
③ ア-b  イ-e
④ ア-b  イ-f
⑤ ア-c  イ-e
⑥ ア-c  イ-f
⑦ ア-d  イ-e
⑧ ア-d  イ-f

#計算問題 #経済成長率 #良問

問4解説

問5

公害問題に関連して、生徒Xは、同一の汚染物質を排出する企業Aと企業Bだけが存在するある地域を想定し、ある年の企業Aと企業Bの汚染水の年間排出量と汚染水に含まれる汚染物質の割合(汚染水の濃度)を示す次の表を作成した。この地域で、汚染物質を減少させる規制を導入するとする。なお、企業Aと企業Bは後の仮定にしたがうものとする。この地域で1年間に排出される汚染水に含まれる汚染物質の総量を、いかなる場合においても規制導入以前より確実に減少させる規制の内容として正しいものを、後の①〜⑥のうちから一つ選べ。

  企業A 企業B
汚染水の年間排出量 (トン) 100 500
汚染水の濃度 (%) 1 2

仮定
○規制導入後は、企業Aも企業Bも、汚染水の年間排出量や汚染水の濃度を増減させる。
○規制導入後は、制限がかかったものについて企業Aも企業Bも、制限内の量や濃度で汚染水を排出する。
○規制に対応するための費用負担は一切考慮しない。

① 汚染水の濃度を企業Aも企業Bもともに0.1%までに制限するが、汚染水の年間排出量は制限しない。
② 汚染水の濃度は制限しないが、汚染水の年間排出量を企業Aは50トンまで、企業Bは200トンまでに制限する。
③ 汚染水の濃度を企業Aも企業Bもともに1.5%までに制限し、汚染水の年間排出量を企業Aは120トンにする、企業Bは600トンまでに制限する。
④ 汚染水の濃度を企業Aは1%までに、企業Bは2%までに制限し、汚染水の年間排出量を企業Aは300トンまでに、企業Bは400トンまでに制限する。

#計算問題

問5解説

問6

生徒Yは、講義で配布された景気循環に関する次の資料1〜4を読み直している。資料2〜4は、1989年から1994年までの日本の、GDP、民間設備投資、民間部門の在庫、それぞれの実質額が前年に比べてどのように増減したかを示している。なお、資料2〜4の中の空欄ア〜ウには、「GDP」「民間設備投資」「民間部門の在庫」のいずれかの語句が当てはまる。空欄ア〜ウに当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑥のうちから一つ選べ。

資料1 景気循環に関する説明
○景気循環は、以下のような経過にしたがうといわれる。
・生産の増大が続くが需要の増加が十分でないとき、商品の売れ残りが増加し企業の利潤が減少する。
・企業の利潤の減少にともない、雇用は減少し、景気は後退する。
・景気の後退は、企業による生産の抑制や設備投資の減少とさらなる雇用の減少を促し、経済は不況に至る。
・企業による過剰在庫の処分や過剰設備の整理とともに需要が増加し、景気は回復し、さらに好況に向かう。この中で企業の設備投資も活発化し、生産や雇用も増加していく。
○1989年から1994年までの日本では、上記のような経過が観察される。

① ア GDP  イ 民間部門の在庫  ウ 民間設備投資
② ア GDP  イ 民間設備投資  ウ 民間部門の在庫
③ ア 民間部門の在庫  イ GDP  ウ 民間設備投資
④ ア 民間部門の在庫  イ 民間設備投資  ウ GDP
⑤ ア 民間設備投資  イ GDP  ウ 民間部門の在庫
⑥ ア 民間設備投資  イ 民間部門の在庫  ウ GDP

#国語問題 #日本経済通史 #時事問題 #難問

問6解説

問7

貿易に関連して、生徒Yは、比較優位について復習するため、次の表のようなモデルケースを考え、後のメモを作成した。表は、自動車とオレンジのみを生産するA国とB国の、A国における技術革新前・技術革新後における、それぞれの財を1単位生産するために必要な労働者数を示したものである。ただし、いずれの国も、いずれの財の生産においても必要な生産要素は労働力のみとする。後の数値a〜cのうち、表中における空欄( ア )に当てはまる数値として正しいものはどれか。当てはまるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑥のうちから一つ選べ。

メモ
 A国の技術革新以後に、A国における自動車1単位を生産するために必要な労働力の量が( ア )人であるとき、A国の技術革新以前も技術革新以後で、自動車生産に比較優位をもつ国が変わる。

( ア )に当てはまる数値
a 15
b 6
c 3

①a  ②b  ③c  ④aとb  ⑤aとc  ⑥bとc  ⑦aとbとc

#計算問題 #比較生産費説 #資本主義

問7解説

問8

生徒Yは、貿易による国内市場への影響について学習を進め、安価な冷凍野菜の輸入解禁が国内の生鮮野菜市場に与える影響を考えた。ただし、生鮮野菜の供給は国内のみから、冷凍野菜の供給は国外のみからであるとし、冷凍野菜の輸入解禁以外の変化は生鮮野菜市場において起こっていないものとする。さらに、消費者は、生鮮野菜の価格が高いほど、生鮮野菜より冷凍野菜を好んで購入する傾向にあるとする。このとき、冷凍野菜の輸入の解禁と解禁後の、生鮮野菜の需要曲線を表す図として最も適当なものを、次の①〜④のうちから一つ選べ。

#需要供給曲線  #難問

問8解説

第4問

問1

生徒Xは、国際社会には主権国家より上位に立つものがないので、社会というよりは自然状態であるといわれることがあると知り、図書館で関連する文献を調べた。次の記述ア〜ウは、それぞれ「自然法論」「戦争と平和の法」「リヴァイアサン」の一節が含まれている。記述ア〜ウと後の著者名a〜cとの組合せとして正しいものを、後の①〜⑥のうちから一つ選べ。

ア 「自然状態はそれを支配する自然法をもち、すべての人間がそれに拘束される。…(略)…その自然法たる理性は、…(略)…何人も他人の生命、健康、自由、あるいは所有物を侵害すべきではないということを教えるのである。」

イ 「人びとが、かれらすべてを威圧しておく共通の権力なしに、生活しているときには、…(略)…自身のつよさと自分自身の工夫が与えるもののほかには、なんの保証もなしに生きている。…(略)…」

ウ 「戦の最中には、法は沈黙するかもしれないが、…(略)…自然が定め、または万民の合意が定立したところのものは依然効力を有する。…(略)…人民の間には、戦争を行うについて、かつまた戦争に関して有効なる共通法が存在する。…(略)…」

a グロティウス(グロチウス)
b ホッブズ
c ロック

① ア-a  イ-b  ウ-c
② ア-a  イ-c  ウ-b
③ ア-b  イ-a  ウ-c
④ ア-b  イ-c  ウ-a
⑤ ア-c  イ-a  ウ-b
⑥ ア-c  イ-b  ウ-a

#国家の正当性の原理

問1解説

問2

生徒X、生徒Y、生徒Zは、アジアの経済情勢についての現状分析を行った。経済発展には人口が重要な影響をもつと考え、2020年時点で、アジアで人口が多い上位3か国の年齢別・性別人口構成をとりまとめた次の図を作成し、アジアの経済情勢について話し合っている。後の会話文中の空欄( ア )・( イ )に当てはまる国名と語句との組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑥のうちから一つ選べ。

X:三つの図を比較すると、その形状は、傾向別に分けられそうだね。
Z:その形状は経済成長とも関連するという話を聞いたことがあるよ。
Y:今後、出生率と死亡率の変化の傾向に影響を与えるような要因が生じないと仮定して、2050年の年齢別・性別人口構成を予測すると、3か国のうち高齢化が進んで15歳から64歳までの生産年齢人口の総人口に占める割合が2020年より最も落ち込むと考えられる国は( ア )だね。
X:現在の日本もそうだけれど、2050年の( ア )で予測されるように総人口に占める生産年齢人口の割合が低下する状態は( イ )というよね。
Y:( イ )は経済成長にマイナスの影響を与えるといわれているね。

① ア インド  イ 人口ボーナス
② ア インド  イ 人口オーナス
③ ア インドネシア  イ 人口ボーナス
④ ア インドネシア  イ 人口オーナス
⑤ ア 中国  イ 人口ボーナス
⑥ ア 中国  イ 人口オーナス

#国語問題

問2解説

問3

生徒Yは、下線部⑧の現状について調べた。アジアのインフラ開発やODA(政府開発援助)に関連する記述として最も適当なものを、次の①〜④のうちから一つ選べ。

① 中国が取り組む一帯一路構想は、現代のシルクロードとして、陸路のみによる経済圏構築をめざしているものである。
② 中国が主導して設立されたアジアインフラ投資銀行への参加は、アジア諸国に限定されている。
③ 自然災害や紛争による被災者の救援のために日本のODAとして行われる食料や医薬品の無償援助は、国際収支の第2次所得収支に含まれる。
④ ODAは発展途上国の経済発展のために行われるものであり、日本では開発協力大綱によって日本の国益を考慮せずに行うことが示されている。

#国際経済の仕組み

問3解説

問4

金融に関連して、生徒X、生徒Y、生徒Zは、家計の金融資産構成における日本、アメリカ、ヨーロッパの違いに関心をもち調べた。そして生徒たちは、日本、アメリカ、ヨーロエリアにおける家計の金融資産構成を示す次の資料をみつけ、その特徴について話し合っている。後の会話文中の空欄ア・イに当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑥のうちから一つ選べ。

X:アメリカは、日本やユーロエリアと比較すると株式等の保有比率が高いね。
Y:一般に、収益性が高い金融資産は、安全性や流動性が( ア )といわれているね。
Z:家計の金融資産構成にはリスクとリターンに対する考え方が現れているともいえるんだね。
Y:私は資産が減る可能性を最も低くしたいから、リターンが低くてもいいな。そういう意味では、この資料の中だと( イ )のような金融資産構成の方が好みが考え方に合っているね。
X:私はリスクが高くても将来的に資産が増える可能性が高い方がいいけどね。

① ア 低い  イ 日本
② ア 低い  イ アメリカ
③ ア 低い  イ ユーロエリア
④ ア 高い  イ 日本
⑤ ア 高い  イ アメリカ
⑥ ア 高い  イ ユーロエリア

#国語問題 #社会保障

問4解説

問5

生徒Zは、宇宙開発に関連して、宇宙に関する国際法について調べた。次の資料は、宇宙条約(宇宙空間平和利用条約)から条文を抜粋したものである(なお、資料には表記を改めた箇所や省略した箇所がある)。また、資料中の当事国とは、条約の効力が及びている国をいう。後の記述ア〜ウのうち、資料に基づいて判断したとき、当事国であるJ国が宇宙条約違反となる事例として正しいものはどれか。当てはまるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑦のうちから一つ選べ。

第1条 …(略)…月その他の天体を含む宇宙空間は、すべての国がいかなる種別もなく、平等の基礎に立ち、かつ、国際法に従って、自由に探査しおよび利用することができるものであり、また、天体のすべての地域への立入りは、自由である。…(略)…
第2条 月その他の天体を含む宇宙空間は、主権の主張、使用もしくは占拠またはその他のいかなる方法によっても国際法上取得の対象とはならない。
第4条 条約の当事国は、核兵器および他の種類の大量破壊兵器を運送・配備・設置もしくは地球を周り軌道に乗せないこと、これらの兵器を天体に設置しないこと並びに他のいかなる方法によってもこれらの兵器を宇宙空間に置かないことを約束する。
第6条 条約の当事国は、月その他の天体を含む宇宙空間における自国の活動がすべて、それが政府機関によって行われるか非政府機関によって行われるかを問わず、国際的責任を有し、自国の活動がこの条約の規定に従って行なわれることを確保する国際的責任を有する。…(略)…
第7条 条約の当事国は、月その他の天体を含む宇宙空間に物体を発射しもしくは発射させる場合またはその領域から物体が発射される場合において、その物体を発射した国および物体が領域から発射された国は、その物体またはその部品が月その他の天体を含む宇宙空間における条約の他の当事国またはその自然人もしくは法人に与える損害について国際的責任を有する。

ア J国は、地球を回る軌道上に、核兵器を搭載した人工衛星を乗せた。
イ J国は、自国の宇宙船が着陸した月面上のある場所の周辺を、自国の領土であると主張し、占拠した。
ウ J国の企業Kが製作しJ国国内から打ち上げた人工衛星が、他の当事国の領域に落下して甚大な損害を与えたところ、その原因は企業Kにあったことが立証されたので、J国は自国に国際的な責任はないと主張して責任をとらなかった。

① ア
② イ
③ ウ
④ アとイ
⑤ アとウ
⑥ イとウ
⑦ アとイとウ

#国語問題

問5解説

問6

生徒Xと生徒Yは、科学技術の利用とリスクについて議論している。次の会話文中の空欄( ア )には後の語句aかb、空欄( イ )には後の記述cかd、空欄( ウ )には後の記述eかfのいずれかが当てはまる。空欄( ア )〜( ウ )に当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑥のうちから一つ選べ。

X:私たちは地球規模の課題をたくさん抱えているけれど、科学技術がもっと発展すれば、すべて解決できるかもしれないね。たとえば、新しい資源の開発や省資源・省エネルギー、再生可能エネルギーに関する技術の開発などによって、エネルギー問題を解決できるかもしれないよ。発電所の排熱を暖房や給湯などに利用して熱効率を高める( ア )の技術を導入する事例もあるよ。
Y:科学技術の発展に期待はしたいけれど、そんなに楽観的でいいのかな。科学技術は私たちにとって、さまざまなリスクももたらすのではないかな。たとえば、情報通信技術の急速な進展によって、大量の情報を短時間で処理し伝送できるようになったけれど、同時に、個人の私生活に関する情報もケンしやすくなったため、プライバシーの権利がないように( イ )のリスクが高まったよ。日本においてプライバシーの権利は、( イ )だよね。
X:たしかにリスクは高まったけれど、あらゆるものにインターネットやAI(人工知能)が活用されることで、エネルギーの効率的な利用もできるようになり、環境問題やエネルギー問題の解決につながると思うよ。
Y:そうだね。また、AIなどの先端技術は国家的な競争が激しく、また、自国の技術が他国の軍事技術に利用されることもあるよ。そのため日本では、( ウ )。
X:なるほど。科学技術の発展を促進しつつ、そのリスクに備え、ルールを作っていかないといけないねということだね。

( ア )に当てはまる語句
a スマートグリッド
b コージェネレーション

( イ )に当てはまる記述
c 現在、自らについての情報が勝手に利用されないように、それをコントロールする権利でもあるとらえられているよね
d 憲法制定時から重要だと認識されていたので、憲法第13条は、私生活をみだりに公開されない自由を明文で保障しているよね

( ウ )に当てはまる記述
e 経済安全保障推進法に基づいて、半導体など特定の重要な先端技術の流出を防止するための制度作りが行われているよ
f 1980年代の貿易摩擦で対象の品目に含まれていた半導体を、制限なく輸出できるようにするための政策が実施されているよ

① アーa イーc ウーe
② アーa イーc ウーf
③ アーa イーd ウーe
④ アーa イーd ウーf
⑤ アーb イーc ウーe
⑥ アーb イーd ウーf

#時事問題  #国語問題 #新しい人権

問6解説

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