令和四年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第2問 問6

問題

経営能力に関連して、生徒たちは労働問題について学ぶため、事前学習として、次の図のような求人情報の例を作成し、問題点がないか話し合った。図中の下線部ア〜ウについて、企業がこの求人情報のとおりに労働者と労働契約を結んだ場合、雇用に関係する日本の法律に抵触するものはどれか。当てはまるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、後の①~⑦のうちから一つ選べ。

求人情報#○○△△××
○○○○株式会社【販売スタッフ】
●パート・アルバイト
労働時間:1日当たり6時間、週6日
雇用契約期間:3年
 時給:1200円  交通費:自己負担
有給休暇:付与なし

①ア  ②イ  ③ウ  ④アとイ  ⑤アとウ  ⑥イとウ  ⑦アとイとウ

#労働問題

解説

正解:③
復習用資料:経済分野第二章/労働問題

・労働問題でよくある、「××は労働基準法で禁じられている」系知識に関する問題
・ただ、下線部イに関してはかなり細かい知識であり、常識を問うてくる問題とも言える

ア 労働時間:1日当たり6時間、週6日

・労働基準法では、法定労働時間という名で、労働時間の上限が定められている
・即ち、一日八時間、週四十時間が上限であり、経営者は、この上限を超えて従業員を働かせてはならない

・この下線部アの場合、一日六時間の週六労働なので、6×6=36、つまり週三十六時間労働となる
・よって、アは合法である

イ 雇用契約期間:3年

・労働基準法では、有期雇用契約の契約期間上限を三年としている
・よって、下線部イは合法である
※ただ、正直この次元の細かい知識は、公共や政治経済では扱わないものである。「アルバイトなんて普通は一年契約なのに、この店、三年は契約してくれるのか。太っ腹だなぁ」という常識的な判断を求めている箇所の可能性がある

ウ 有給休暇:付与なし

・労働基準法では、雇用形態に関わらず有給休暇の付与を義務として定めている
・アルバイト、パートに有給休暇を与えないのは、現実に横行している労働基準法違反である
・よって、下線部ウは違法である

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