令和七年度 大学入学共通テスト試作問題 公共、政治・経済 第3問 問1
問題
~ここからリード文~
X:男女の平等については、女子差別撤廃条約が重要だね。この条約を批准した日本は男女差別撤廃に向けて、これまでaさまざまな法律を制定したり、改正したりしてきたようだよ。
Y:男女の平等をはじめとして、国際社会ではそれ以外にも人々の権利を保障するための多くの人権条約が採択されているようだね。ただ、これらの条約の中には、まだ日本が批准していない条約もあるみたいだ。
~ここまでリード文~
下線部aについて、生徒Xは、男女の平等に関する日本の法律を調べてみた。それぞれの法律に関する記述として正しいものを、次の①~④のうちから一つ選べ。ただし、各法律の内容は現行法によるものとする。
①労働基準法は、男女同一賃金の原則を明文で定め、賃金面における女性への差別を禁止している。
②育児・介護休業法は、女性労働者のみならず男性労働者に対しても、育児休業の取得を義務づけている。
③民法は、女性の婚姻開始年齢を引き下げる改正を経て、男女とも18歳にならなければ婚姻できないことを規定している。
④男女雇用機会均等法は、事業主は、募集、採用、配置、昇進など、職場における男女差別の解消に努めなければならないことを定めている。
解説
正解:①
労働問題
・人権の拡大(個別の人権条約)の問題…に見せかけて、労働問題(労働基準法)の問題
・解き方としては基本に、消去法ではなく「他は知らんが①は正解だろう」で解く問題である
※労働基準法に「男女同一賃金の原則」が「明文で定め」られている事を知っていれば解ける
※特に②や③は高校の公民の授業ではここまでやらないと思われるので…
・なお、④の男女雇用機会均等法は、「職場における男女差別の解消に努め」る法律ではない
・むしろ、「職場における男女差別」を禁じる法律である
⇒常識的に考えても、男女差別が残存している事実に対して「差別解消に努めているんですが、なかなかうまくいかなくて…」とか言っても大体は許されないのが今の世の中である