令和七年度 大学入学共通テスト試作問題 公共、政治・経済 第3問 問6

問題

生徒Yは、あらためて日本国憲法の前文を読み返してみた。次の資料は、日本国憲法の前文の一部である。なお、一部現代仮名遣いに改めた箇所やふりがなを振った箇所がある。会話文中の空欄(ア)に当てはまる記述として最も適当なものを、資料中の下線部①~④のうちから一つ選べ。

X:日本国憲法では「法の下の平等」が規定されていて、この規定を根拠とした最高裁判所の違憲判決も出されているね。
Y:国際社会では、1994年に国連開発計画が「人間の安全保障」という理念を打ち出しているね。この理念は、一国の国防というよりも、世界中の人々がそれぞれの暮らしの中で直面する問題に焦点を当てている点で、日本国憲法の前文の中の、( ア )という部分にみられる考え方に近いともいえるよね。

資料
 「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、①平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、②全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、③いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、④自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。」

#国語問題

解説

正解:②

・国語の問題。一応、人間の安全保障という公民科で出てくる概念について聞いてはいるのだが…
・見ての通り、問題文中に説明があるので、知らなくても読解力があれば解ける

・人間の安全保障について、問題文中の説明を要約すると以下のようになる
1:「一国の国防」という話ではない
2:「世界中の人々がそれぞれの暮らしの中で直面する問題」をどう解決していくか…というものである

・上記の要約から考えると、②以外に適する選択肢がない
・①はそれっぽいとは言え、「われらの安全と生存」の話であって、「世界中の人々」の話ではない
・③と④も、国単位でどうこうという話をしていて、不適である

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