令和七年度 大学入学共通テスト試作問題 公共、政治・経済 第4問 問4
問4
資本主義経済に関連して、生徒Xは、さまざまな経済学説について調べ、そのうちの二つの考え方を現代的な論点と対応させる次のメモ1・2を作成した。それぞれのメモ中の空欄( ア )・( イ )に当てはまる人名の組合せとして正しいものを、後の①~④のうちから一つ選べ。
メモ1( ア )は、物価の安定を重視し、政策当局は通貨量を一定の率で供給すべきと主張したが、リーマン・ショック以降の日本の金融政策は、どのように実施されているのだろう。
メモ2( イ )は、自由貿易がもたらす国際分業によって関係国全体での生産量が増えると論じたが、資本や労働力も自由に国境を越える時代の国際分業には、どのようなメリット・デメリットがあるのだろう。
① ア ガルブレイス イ マルサス
② ア ガルブレイス イ リカード
③ ア フリードマン イ マルサス
④ ア フリードマン イ リカード
問4解説
正解:④
復習用資料:経済分野第一章/資本主義
・大学入試共通テストでよくある、「ただの知識問題を会話文にしてみました」問題
・選択肢から、(ア)はジョン・ケネス・ガルブレイスかミルトン・フリードマンである
ガルブレイス:現代社会は寡占市場の状態にあり、人々は広告による非価格競争に弄ばれていると論じた経済学者
フリードマン:経済に於いては貨幣流通量こそが重要であると論じ、マネタリズムを掲げて新自由主義の旗手となった経済学者
・これを踏まえて会話文を見てみよう
( ア )は、物価の安定を重視し、政策当局は通貨量を一定の率で供給すべきと主張した
・明らかにこれはマネタリズム的な主張である
・よって(ア)はミルトン・フリードマンであると考えられる
・続いて、選択肢から、(イ)はトマス・ロバート・マルサスかデイビッド・リカードである
マルサス:「国家規模、世界規模で口減らしをしないと人口が増えすぎて大飢饉になる」という旨の主張で有名な古典派経済学者
リカード:比較優位に基づく比較生産費説で自由貿易を推奨した古典派経済学者
・これを踏まえて会話文を見てみよう
( イ )は、自由貿易がもたらす国際分業によって関係国全体での生産量が増えると論じた
・これは明らかに比較生産費説である
・よって(イ)はデイビッド・リカードである
・以上から、(ア)はフリードマン、(イ)はリカードである