令和七年度 大学入学共通テスト試作問題 公共、政治・経済 第4問 問6

問題

新技術の導入もまた、従来型の雇用慣行とは別のメカニズムで、賃金や雇用に影響を与えるという事実について、生徒X、生徒Y、生徒Zは、需要と供給によって価格と取引量が決まるという財市場のメカニズムを労働市場にも適用し、技術進歩が均衡賃金に与える効果を考え、次の図と、図を説明した後のメモとを作成した。メモ中の空欄( ア )~( ウ )に当てはまる語句と記号の組合せとして正しいものを、後の①~④のうちから一つ選べ。

メモ
労働を節約できるような新しい技術が企業に導入されると、他の条件が等しい限りにおいて、( ア )が( イ )の方向に移動する。その結果、均衡賃金は( ウ )する。

① ア 労働需要曲線   イ A   ウ 低下
② ア 労働需要曲線   イ B   ウ 上昇
③ ア 労働供給曲線   イ C   ウ 上昇
④ ア 労働供給曲線   イ D   ウ 低下

#需要供給曲線

解説

正解:①
復習用資料:経済分野第一章/需要供給曲線

・一般的な需要供給曲線の場合、商品(財)を売り買いする市場を想定する
・この場合、商品を買うのは消費者(一般人)、商品を作って売るのは会社である
・つまり、以下のようになる

需要曲線:商品を買う側の話⇒消費者(一般人)の話
供給曲線:商品を作って売る側の話⇒会社の話

需要と供給によって価格と取引量が決まるという財市場のメカニズムを労働市場にも適用

・しかし今回は、そういう商品(財)を売り買いする市場の話を、労働市場に適用する、と言っている
・よって、普段とは話が異なるのである
・具体的には、労働力を買う(労働者を雇う)のは会社であり、労働力を売るのは一般人(労働者)である

・つまり、以下のようになる
労働需要曲線:労働力を買う側の話⇒会社の話
労働供給曲線:労働力を売る側の話⇒一般人(労働者)の話

・これを理解した上で解かないと、頓珍漢な事になる

労働を節約できるような新しい技術が企業に導入される

・今回の問題は、これによってどんな変化が起きるかを問うものである
・要するに、AIで工場が無人で動かせるようになったとか、そういう時何が起こるかを問うている
・では何が起こるかと言うと、会社が人を雇わなくなる
・つまりこれは、会社側の話、もっと言えば、労働需要曲線側の話である

( ア )が( イ )の方向に移動する。その結果、均衡賃金は( ウ )する。

・よって、(ア)は労働需要曲線である
・では、労働需要曲線はどう動くか
・会社があまり人を雇わなくなる訳だから、当然、「同じ価格(賃金、給料)でも、雇う人の数は減る」筈である
・需要供給曲線は、右に行けば行くほど量が増え、左に行けば行くほど量が減る。つまり、Aに動く事になる
・その場合、均衡点(需要曲線と供給曲線が交わる点)は下に動く事になるので、価格(賃金、給料)は下がる

・よって、以下のようになる
ア:労働需要曲線
イ:A
ウ:低下

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