令和七年度 大学入学共通テスト試作問題 公共、政治・経済 第5問 問4
問題
インターネットに関わる問題について調べたことをきっかけに、生徒W、生徒X、生徒Y、生徒Zは、さらに議論を重ねていった。インターネットをめぐる日本の今日の状況について述べた次のア~エの記述のうち、内容が誤っているものが二つある。その組合せとして最も適当なものを、後の①~⑥のうちから一つ選べ。
ア インターネットにつながる自由は、著作権や商標権などとともに、知的財産権の一種として保障されている。
イ インターネット接続事業者に対して、インターネット上の表現によって権利を侵害された者が、発信者情報の開示を請求することについて定める法律が制定されている。
ウ インターネットやその他の高度情報通信ネットワークを通じた情報の活用などを所掌する組織として、デジタル庁が発足した。
エ インターネットを用いた通信販売は、一定の期間であれば無条件で契約の申込みを撤回したり契約を解除したりできるという、消費者保護を目的とした制度の対象となる。
①アとイ
②アとウ
③アとエ
④イとウ
⑤イとエ
⑥ウとエ
解説
正解:③
・珍しく、誤答を二つ選ぶ問題
・そして、正文のイとウを高校生が知っているとは、恐らく問題作成者は想定していない
・即ち、消去法ではなく「イとウは分からんが、アとエは違うだろ」で解く問題である
・アは、今のところ、インターネットに繋がる権利は人権として認められていない
⇒そういう話は、政治経済の教科書の何処にもなかった…というのもあるが、どちらかと言うと常識の話になってくる
⇒例えば、「もしこの権利が人権と認められているなら、どのご家庭にもスマホ・パソコン・光回線・wifiあたりが標準装備されている筈だよな…」と考えるような常識があるかどうか。そういう部分を見ている選択肢だと思われる
・エの制度とは即ちクーリングオフだが、通信販売は対象外である
⇒通信販売そのものは特定商取引法の対象となるが、通信販売はクーリングオフ対象にはならない
⇒実際、Amazonや楽天を利用した事のある高校生も多い筈だが、クーリングオフ制度について見た事はない筈である