令和七年度 大学入学共通テスト試作問題 公共、政治・経済 第6問 問3
問題
生徒Xは、調べ学習を進める中で、イギリスではポーランドなど東ヨーロッパ諸国から移民労働者を多く受け入れていたことを知った。他方で、Xは、先生Tが以前の授業で、EU離脱の是非を問うたイギリス2016年国民投票で移民問題が関わっていたと、関連する世論調査データも使いつつ話していたことを思い出した。次の資料4は、その授業での配布資料である。資料4中の空欄( ア )・( イ )に当てはまる記述として正しいものを、後の①〜④のうちから、それぞれ一つ選べ。
①EU市場へのアクセスは現状維持が最善である
②イギリスのことはイギリスが決めるのが当然である
③欧州自由貿易連合(EFTA)に留まる必要がある
④ユーロから離脱し通貨主権を取り戻せる
解説
正解:アが①、イが②
復習用資料:経済分野第三章/国際経済テーマ史
・イギリスに於ける、EU残留支持理由と離脱支持理由を一つずつ選べ、という問題
・解き方は色々考えられるが、今回は、明らかに変な選択肢を除外するところから始めよう
③欧州自由貿易連合(EFTA)に留まる必要がある
・EFTAはイギリスが作った組織ではある
・ではあるが、イギリスがEU(の前身)に入る前に抜けている
・よってEFTAがどうこうという話には絶対にならない
④ユーロから離脱し通貨主権を取り戻せる
・イギリスはEUには参加しているが、ユーロは使っていない。ポンドを使用し続けている
・以上から、選択肢③と④は除外できる
①EU市場へのアクセスは現状維持が最善である
②イギリスのことはイギリスが決めるのが当然である
・後はこの二つのどちらがEU離脱、残留支持理由かなのだが…
・「現状維持が最善」と言っておいて、EU離脱支持理由というのは通らないだろう
⇒今EUに入ってて、これから抜けるかどうかって話してるんですよこの時のイギリスは…
・という訳で、①が残留支持理由、②が離脱支持理由である
・勿論他にも解き方は色々ある
⇒それこそ私の授業をきちんと受け、授業用資料を読み込んでいる人であれば、②が離脱支持理由である事は一発で見抜ける