令和七年度 大学入学共通テスト試作問題 公共、政治・経済 第6問 問5
問題
生徒Xと生徒Yは、主な先進国の難民認定率と難民認定者数を示す次の資料6をみつけ、その内容について話し合っている。後の会話文中の空欄( ア )には後の国名aかb、空欄( イ )には後の語句cかd、空欄( ウ )には後の記述eかfのいずれかが当てはまる。当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後の①~⑧のうちから一つ選べ。
X:難民の認定者数はドイツが一番多いけど、認定率は( ア )が一番高いね。
Y:( ア )は( イ )の政策をとっていたね。それが関係しているのかもしれないね。
X:日本は難民の認定者数が少なく、認定率も0.5%とかなり低いね。
Y:そういえば、難民条約では、ノン・ルフールマンの原則により、難民認定の申請を受けた国は( ウ )と定められている、と授業で学習したよね。
X:その原則の申請者への適用の仕方は各国の事情によるんだろうね。この後、日本の難民受入れ政策や申請者への処遇などを調べてみようか。
( ア )に当てはまる国名
aアメリカ
bカナダ
( イ )に当てはまる語句
cユニラテラリズム
dマルチカルチュラリズム
( ウ )に当てはまる記述
e出身国での困窮を理由に入国した申請者を自国から送還してはならない
f帰国後に迫害される恐れのある申請者を自国から送還してはならない
① ア―a イ―c ウ―e
② ア―b イ―c ウ―e
③ ア―a イ―d ウ―e
④ ア―b イ―d ウ―e
⑤ ア―a イ―c ウ―f
⑥ ア―b イ―c ウ―f
⑦ ア―a イ―d ウ―f
⑧ ア―b イ―d ウ―f
解説
正解:⑧
復習用資料:政治分野第一章/人権の拡大
・表も読み取れなければいけないし、常識も問われるし、政治経済の知識も問われる欲張り問題
X:難民の認定者数はドイツが一番多いけど、認定率は( ア )が一番高いね。
aアメリカ
bカナダ
・資料6を見ると、認定率そのものはカナダが最も高い(50%超え)
Y:( ア )は( イ )の政策をとっていたね。
cユニラテラリズム
dマルチカルチュラリズム
・ユニラテラリズムが何かを知らなくても、「多文化共生でしょ…」で終わる問題
※尚、ユニラテラリズムは単独行動主義等と訳される。主に、イラク戦争あたりの米国を批判する用途で使われる単語である
Y:そういえば、難民条約では、ノン・ルフールマンの原則により、難民認定の申請を受けた国は( ウ )と定められている、と授業で学習したよね。
e出身国での困窮を理由に入国した申請者を自国から送還してはならない
f帰国後に迫害される恐れのある申請者を自国から送還してはならない
・ノン・ルフールマンの原則の意味を覚えていれば解ける部分
・また、eのような経済難民は、難民条約の言う「難民」ではないという知識も持っておきたい