令和五年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第1問 問3

問題

日本の各産業の輸出状況に関連して、生徒Xは、どのような財をどの程度輸出しているかを調べることによって、その国の経済構造の特徴を知ることができると考えた。そこで、2018年のデータとそれまでの各国の経済の動きをもとに、日本、中国、ナイジェリア、ロシアの貿易輸出品の主要3品目(主要品目の輸出額の輸出総額に占める割合)を示す次の表ア~エと、これらの国の経済的特徴をまとめた後の資料を作成した。資料を踏まえて表アに該当する国として正しいもの後の①~④のうちから一つ選べ。

資料
日本は、高度成長期以来、加工貿易型で経済発展してきた。中国は、経済特区を設けるなどして工業化を進め「世界の工場」といわれるほど発展し、アメリカに次ぐ経済規模の国になった。ロシアは、天然資源が多く、エネルギー価格の高騰を戦略的に活用し、2000年代に入ると鉱工業生産を伸ばした。ナイジェリアは、アフリカの中では経済規模が大きく人口も多いが、ODA(政府開発援助)を受け入れている発展途上国であり、モノカルチャー経済の特徴を示している。

①日本  ②中国  ③ナイジェリア  ④ロシア

#国語問題 #国際経済テーマ史

解説

正解:④
復習用資料:経済分野第三章/国際経済テーマ史

・国際経済テーマ史の「南北問題」に出てきた「モノカルチャー経済」という言葉の知識は必要である
・それさえ分かっていれば、後は国語の問題となる

・正解を求められているのは表アである
・表アと似ているのは表ウで、どちらも石油にかなり依存している
・では、と問題文を読むと、天然資源で稼いでいると明言されているのはロシア連邦のみである

ロシアは、天然資源が多く、エネルギー価格の高騰を戦略的に活用し(後略)

・これだけだと判断がつかない
・表アか表ウがロシア連邦だろうとは分かるぐらいで、どちらがどちらかは分からない

・ただ、表ア表ウ共に石油に依存していると言っても、表ウの方が極端である
・何せ表ウ石油だけで80%超え、「天然ガスも石油みたいなもんでしょ」という意味では90%超えである
⇒完全にモノカルチャー経済。表アもかなり石油に依存しているが、それでも原油と石油製品合わせて45%程度である

ナイジェリアは、(中略)モノカルチャー経済の特徴を示している。

・問題文を見ると、ナイジェリア連邦共和国だけはモノカルチャー経済であるとはっきり書かれている
・また、四つの表を見ると、表ウ以外にはモノカルチャー経済になっている国はいない
・これらの点から考えて、表ウはナイジェリア連邦共和国の可能性が高い
・という事は、表アはロシア連邦の可能性が高い

ロシアは、天然資源が多く、エネルギー価格の高騰を戦略的に活用し、2000年代に入ると鉱工業生産を伸ばした。

・また、この文章によれば、近年ロシア連邦は鉱工業生産を伸ばしているらしい
・これを踏まえた上で表アを見てみると、鉱工業にあたる鉄鋼業が(5%程度とは言え)三位につけている

・よって、表アはロシア連邦であると分かる

※なお、表イと表エはどちらも機械の比率が非常に高く先進国であろうと分かる。今回先進国の選択肢としては日本国と中華人民共和国が挙がっているが、表イは特に自動車が20%もある。トヨタをはじめとする自動車工業を擁する日本国が表イ、そうではない中華人民共和国が表エと分かる

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