令和五年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第3問 問2
問題
生徒Xと生徒Yは、模擬授業1で取り上げられた今日でも継続する紛争に関心をもち、中東での紛争と対立について話し合っている。次の会話文中の空欄[ ア ]~[ ウ ]に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の①~⑧のうちから一つ選べ。
X:パレスチナ地方では、ユダヤ人が中心となってイスラエルを建国したのちに第一次中東戦争が始まったよ。その結果として、多くの人々が難民となったんだ。その後も対立が続き、紛争が生じている。
Y:けれど、和平の動きがみられないわけではないんだ。第四次中東戦争ののち、イスラエルとエジプトとの間で和平条約が締結されているよ。さらに、イスラエルとパレスチナ解放機構との間で[ ア ]が成立し、パレスチナ人による暫定統治がガザ地区と[ イ ]において開始されたんだ。
X:でも、[ ウ ]が[ イ ]で分離壁の建設を進めるなど、イスラエルとパレスチナの対立は終結していないよね。
①ア オスロ合意 イ ゴラン高原 ウ パレスチナ自治政府
②ア オスロ合意 イ ゴラン高原 ウ イスラエル政府
③ア オスロ合意 イ ヨルダン川西岸 ウ パレスチナ自治政府
④ア オスロ合意 イ ヨルダン川西岸 ウ イスラエル政府
⑤ア プラザ合意 イ ゴラン高原 ウ パレスチナ自治政府
⑥ア プラザ合意 イ ゴラン高原 ウ イスラエル政府
⑦ア プラザ合意 イ ヨルダン川西岸 ウ パレスチナ自治政府
⑧ア プラザ合意 イ ヨルダン川西岸 ウ イスラエル政府
解説
正解:④
復習用資料:政治分野第四章/世界の紛争
・パレスチナ紛争に関する知識を問う問題
※イやウに関しては、教科書や授業の知識を問うと言うよりは時事問題的ではある
第四次中東戦争ののち(中略)イスラエルとパレスチナ解放機構との間で[ ア ]が成立
・選択肢はオスロ合意かプラザ合意である
・流石にこれはオスロ合意を選んでほしい
⇒仮に、イスラエル国とPLOとの間で結ばれたのが何合意だったか覚えていなくても、プラザ合意を選ばないでほしい。日本が、同盟国の筈の米国に屈辱を味わわされた奴だし、令和まで続く不況の遠因と言えばそうですよ…
イスラエルとパレスチナ解放機構との間で[ ア ]が成立し、パレスチナ人による暫定統治がガザ地区と[ イ ]において開始されたんだ。
・選択肢はゴラン高原とヨルダン川西岸地区である
・私の授業用資料でも、ヨルダン川西岸地区は特に重要単語としてマークしていない
・ので、授業や教科書の知識としてはかなりマニアックである
・一方で、報道を見ていればよく見る筈である
⇒「ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人居住区でうんたらかんたら」みたいな報道は、特に国際関係でよく流れている筈である
・この辺り、時事問題的な側面が強い問題と言える
・ともあれ、[イ]はヨルダン川西岸である
[ ウ ]が[ イ ]で分離壁の建設を進める
・選択肢はイスラエル政府とパレスチナ自治政府である
・こちらも、[イ]同様知識問題としてはマニアックで、時事問題的である
・また、イスラエル政府とパレスチナ自治政府、壁を作れるぐらい力があるのはどっちか…と考えれば分かると言えば分かる
・もっと言えば、壁を作るぐらい力が自治政府にあるなら、ハマスがあんな跋扈しない訳で…
・ともあれ、[ウ]はイスラエル政府である