令和五年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第3問 問8

問題

二院制について、生徒X、生徒Y、生徒Zは、模擬授業2の後の休憩時間に議論をしている。次の会話文中の空欄ア~ウに当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の①~⑧のうちから一つ選べ。

X:模擬授業でも説明があった両議院の違いを比較すると、[ ア ]の方が議員の任期が短く解散もあり、直近の民意を反映しやすい議院だということができそうだね。
Y:そうした性格の違いが、両議院の権限の違いに影響しているともいえそうだね。両議院の議決が異なった場合に一定の条件を満たせば、[ イ ]を国会の議決とすることが憲法上認められているよ。
Z:でも、憲法はなんでもかんでも[ イ ]を優先させているというわけではないよ。たとえば、[ ウ ]については両議院の権限は対等だよね。
X:法律案の議決についても、[ イ ]を国会の議決とするには、他の場合に比べ厳しい条件が設けられているね。法律案の議決に関する限り、もう一方の議院は、[ ア ]の決定に対して、慎重な審議を求めるにとどまらず、抑制を加える議院として機能しうるといえそうだね。

①ア 衆議院   イ 衆議院の議決   ウ 条約締結の承認
②ア 衆議院   イ 衆議院の議決   ウ 憲法改正の提案
③ア 衆議院   イ 参議院の議決   ウ 条約締結の承認
④ア 衆議院   イ 参議院の議決   ウ 憲法改正の提案
⑤ア 参議院   イ 衆議院の議決   ウ 条約締結の承認
⑥ア 参議院   イ 衆議院の議決   ウ 憲法改正の提案
⑦ア 参議院   イ 参議院の議決   ウ 条約締結の承認
⑧ア 参議院   イ 参議院の議決   ウ 憲法改正の提案

#立法府(国会)

解説

正解:②
復習用資料:政治分野第三章/立法府(国会)

・共テ特有の「こんな生徒いねーよ」シリーズに合わせて立法府(国会)の知識を聞いてくる問題
・基礎的な知識だけで解ける、基本問題。何度でも言うが、こういう問題は落とさないようにしたい

両議院の違いを比較すると、[ ア ]の方が議員の任期が短く解散もあり

・衆議院は任期四年、解散あり
・参議院は任期六年、解散なし
・この二つの基礎知識さえあれば、空欄アは「衆議院」だと分かる

両議院の議決が異なった場合に一定の条件を満たせば、[ イ ]を国会の議決とする

・衆議院と参議院の議決が異なった際、どちらかを優先させるとなった時は衆議院が優先される
・いわゆる衆議院の優越で、法案の議決、予算の議決、条約の承認、首相指名がこれにあたる
※内閣不信任も、衆議院にしか出せないので一種の衆議院の優越と言える。「立法府(国会)」に関する私の授業用資料では、内閣不信任も一緒に衆議院の優越として紹介している

・よって、空欄イは「衆議院の議決」である

たとえば、[ ウ ]については両議院の権限は対等だよね

・選択肢は「条約締結の承認」「憲法改正の提案」になっている
・先に見たように、条約の承認については、衆議院の優越がある
・一方、憲法改正の発議には、「衆議院・参議院両方の議員三分の二以上の賛成」が必要である
・どう考えても、両院が対等なのは憲法改正関係と言う他ない

・よって、空欄ウは「憲法改正の提案」である

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