令和五年度 大学入学共通テスト追試験 政治・経済 第3問 問8

問題

公共サービスに関連して、生徒Xと生徒Yは、多様化する行政へのニーズに対応するため、企業と同様に行政もリストラクチャリング(事業の再構築)が必要と考え、地方自治体のアウトソーシング(業務の外部委託)の例を示そうとした。地方自治体が新たにアウトソーシングをしたと考えられる例として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

①地域経済の活性化のため、地方自治体が企業に雇用拡大の要請を行っていた。それに関連して、地方自治体が採用意欲のある企業の人事担当者に出席を求めて求職者相談会を催した。

②自然環境整備のため、地方自治体が地元企業と協力して植林事業を行っていた。それに関連して、間伐材を活用した地場産業の新商品の開発を行う部署を地方自治体内に新設した。

③住環境整備のため、地方自治体が特定地域にマンションを建設する事業者に助成金を出していた。それに関連して、他の地域のマンションの建設にも助成金を出すことになった。

④国際化の推進のため、地方自治体が国際交流センターを建設し自治体の職員が管理していた。それに関連して、公共施設運営の効率化に向けて同センターの管理を民間企業が請け負うことになった。

#国語問題

解説

正解:④

・問題文を全部読解すればそれだけで終わる、典型的な国語の問題である
・アウトソーシング(業務の外部委託)として正しい選択肢を選べばそれで正解となる
・言い換えれば、地方自治体がこれまで自前で行ってきた業務を、外部委託したものを選べばよい
・もっと言えば、「地方自治体で働いてる人の仕事量が減ったもの」を選べばよいのだ

①地域経済の活性化のため、地方自治体が企業に雇用拡大の要請を行っていた。それに関連して、地方自治体が採用意欲のある企業の人事担当者に出席を求めて求職者相談会を催した。

・この例は、「地方自治体がこれまで自前で行ってきた業務」の話ではない
・よって、①は誤文である

②自然環境整備のため、地方自治体が地元企業と協力して植林事業を行っていた。それに関連して、間伐材を活用した地場産業の新商品の開発を行う部署を地方自治体内に新設した。

・この例は、「地方自治体がこれまで自前で行ってきた業務」の話ではある
・しかし、その業務を「外部委託」したという話ではない
・あくまで、その地方自治体の中に新しい部署を作って、そこに任せる事になったというだけである

・よって、②は誤文である

③住環境整備のため、地方自治体が特定地域にマンションを建設する事業者に助成金を出していた。それに関連して、他の地域のマンションの建設にも助成金を出すことになった。

・この例も、「地方自治体がこれまで自前で行ってきた業務」の話ではある
・しかし、この例もまた、業務を「外部委託」したという話ではない
・助成金を出す業務が増えた、というだけである

・よって、③は誤文である

④国際化の推進のため、地方自治体が国際交流センターを建設し自治体の職員が管理していた。それに関連して、公共施設運営の効率化に向けて同センターの管理を民間企業が請け負うことになった。

・この例は、「地方自治体がこれまで自前で行ってきた業務」の話である
・今まで、地方自治体の職員が国際交流センターを管理していたのだ
・この管理業務を、外部の民間企業に委託しよう、という話である
・まさに、アウトソーシング(業務の外部委託)の例であると言えよう

・よって、④は正文である

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