令和六年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第1問 問2

問題

選挙に関心をもった生徒Xは、選挙制度が選挙結果に与える影響についてモデルケースで考え、次のメモを作成した。メモ中の空欄( ア )〜( ウ )に当てはまる語句の組合せとして正しいものを、後の①〜⑧のうちから一つ選べ。

 ある議会の定員は10人で、各選挙区の各有権者は候補者1人に投票し、各選挙区で得票数の多い順に候補者2人が当選者となる。この議会の選挙区おいて、三つの政党A〜Cが五つの選挙区a〜eで、それぞれ1人の候補者を立てた。次の表は、この選挙区での各候補者の得票数を示したものである。表において、得票数の合計が最も少ない政党は、当選者数が最も( ア )
 いま、選挙制度が変更されたとする。変更後は、議会の定員は5人で、議員は小選挙区制で選出される。各選挙区で政党は変更前と同じ候補者1人を立て、有権者は変更前と同じ候補者に投票する。このとき、死票の数は変更前より( イ )する。そして、得票数の合計が最も少ない政党は、当選者数が最も( ウ )。
 このように、選挙制度が選挙結果に与える影響を考える際には、得票数と獲得議席数との関係、死票の数など、複数の観点からの考慮が必要である。

選挙区 A党 B党 C党 合計
a 10 25 65 100
b 25 30 45 100
c 15 20 65 100
d 40 25 15 100
e 40 35 25 100
合計 150 135 215 500

① ア 多い  イ 増加  ウ 多い
② ア 多い  イ 増加  ウ 少ない
③ ア 多い  イ 減少  ウ 多い
④ ア 多い  イ 減少  ウ 少ない
⑤ ア 少ない  イ 増加  ウ 多い
⑥ ア 少ない  イ 増加  ウ 少ない
⑦ ア 少ない  イ 減少  ウ 多い
⑧ ア 少ない  イ 減少  ウ 少ない

#選挙制度 #国語問題 #計算問題

解説

正解:②
復習用資料:政治分野第三章/選挙制度

ある議会の定員は10人で、各選挙区の各有権者は候補者1人に投票し、各選挙区で得票数の多い順に候補者2人が当選者となる

・これを念頭に置いて表を見てみると、以下のようになる(太線の枠が当選)

・つまり、B党は得票数合計が最も少ない(135)が、最も当選者数が多い政党である
・よって空欄( ア )は「多い」になり、選択肢①~④が正解となる

いま、選挙制度が変更されたとする。変更後は、議会の定員は5人で、議員は小選挙区制で選出される。

・この場合、当選は以下のようになる(太線の枠が当選)

そして、得票数の合計が最も少ない政党は、当選者数が最も( ウ )。

・先に( ウ )を処理してしまおう
・得票数の合計が最も少ない党は変わらずB党であるが、小選挙区導入後は全員落選している
・よって( ウ )は「少ない」になる
・こうして選択肢②か④が候補として残る

このとき、死票の数は変更前より( イ )する。

・死票の数は数えるまでもなく、小選挙区制導入後の方が多い
・単純に「小選挙区制は死票が多い」という話もあるが…
・そもそも死票とは「選挙で、当選者の決定に結びつかなかった票」(デジタル大辞泉)である
・当選する人の数が半分になったのに、死票が減っていたらその方が怖い
・よって( イ )は「増加」である

・以上の内容から、模範回答は②となる

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