令和六年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第1問 問7
問題
生徒Yは、社会の変化によって生活困難に遭遇するリスクが高まる中での社会保障の意義に関心をもち、その意義を具体化する仕組みについて調べた。次の記述ア〜ウのうち、日本における社会保険制度、公的扶助制度、社会福祉制度それぞれの基本的な特徴に関する記述として正しいものはどれか。当てはまるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑦のうちから一つ選べ。
ア 社会保険制度では、原則としてあらかじめ保険料が拠出されていて、疾病や老齢などの保険の対象となる事由が発生した当事者に対して諸給付が行われる。
イ 公的扶助制度では、生活に困難し、最低限度の生活水準に満たない状態になった当事者に対して保険料から生活に必要な諸給付が行われる。
ウ 社会福祉制度では、老齢、障害などによって社会生活を送る上での支援が必要な当事者に対してサービスの提供などが行われる。
① ア
② イ
③ ウ
④ アとイ
⑤ アとウ
⑥ イとウ
⑦ アとイとウ
解説
正解:⑤
復習用資料:経済分野第二章/社会保障
・単純明快な、社会保障の種類に対する知識を問う問題
⇒社会保障の種類を覚える上では、「××という社会保障は▽▽という事由で給付金が貰える。その原資は△△である」を網羅しておくのが大事。まさにそこを中心に聞いてきている問題
・アは正文
・ウも正文
・イだけが明らかに間違い
イ 公的扶助制度では、生活に困難し、最低限度の生活水準に満たない状態になった当事者に対して保険料から生活に必要な諸給付が行われる。
・「生活に困難し、最低限度の生活水準に満たない状態になった当事者」に対して、というのは正しい
・問題は「保険料から生活に必要な諸給付が行われる」で、こんな事やってたら公的扶助にならない
⇒公的扶助は、「貧乏で困っている人を助けよう」制度である。貧乏で困っている人が、皆が皆、普段から保険料をちゃんと支払ってる…なんて事はないのである。だから公的扶助制度は、公費で行われないと意味がない
・よってアとウのみが正文、答えは⑤となる