令和六年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第2問 問5
問題
宗教団体に関心をもった生徒Yは、日本国憲法における宗教に関する規定について調べた。信教の自由や政教分離の原則に関する次の記述ア〜ウのうち、正しいものはどれか。当てはまるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑦のうちから一つ選べ。
ア 宗教団体などを結成する宗教的結社の自由は、憲法が保障する信教の自由に含まれる。
イ 一定の要件を満たした宗教団体には、国から特権を受けたり政治上の権力を行使したりすることが憲法上認められている。
ウ 国および地方公共団体は、宗教教育をはじめとして、いかなる宗教的活動も行ってはならない。
① ア
② イ
③ ウ
④ アとイ
⑤ アとウ
⑥ イとウ
⑦ アとイとウ
解説
正解:⑤
復習用資料:政治分野第二章/日本国憲法と人権(自由権)
・基本的に実在性が低い生徒しか出てこない共テに、珍しく実在性の高い生徒が出てきた問題
・尊師ソングとかシャクティパットとか頭にアルミホイル巻くのが好きな高校生は割と実在する
・信教の自由についての知識を問う問題
・よく、「日本国憲法の重要な条文は暗記しろ」と言われるが、まさに重要条文暗記だけで解ける
第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
② 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
③ 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
(日本国憲法)
・具体的には、上記の条文を暗記していれば一発で解ける
・勿論そこまでしていなくとも、信教の自由についてしっかり勉強していれば解ける問題である
ア 宗教団体などを結成する宗教的結社の自由は、憲法が保障する信教の自由に含まれる。
・正文
・これが誤文である場合、明らかに変な話になる
⇒「宗教団体を結成する自由」は認められない、という事はつまり、「仏教とかキリスト教みたいな既存の宗教を信じるのは自由です」「あっでも新興宗教は駄目、そもそも作っちゃ駄目」という話になるので…そういうのを信教の自由とは言わないでしょ、で終わる話である
イ 一定の要件を満たした宗教団体には、国から特権を受けたり政治上の権力を行使したりすることが憲法上認められている。
・誤文。日本国憲法二十条にある通り、特定の宗教団体にそのような権力は認められない
ウ 国および地方公共団体は、宗教教育をはじめとして、いかなる宗教的活動も行ってはならない。
・正文。日本国憲法二十条3項にある通り、いかなる宗教活動も行ってはならない
・よって、アとウが正しい。正解は⑤である