令和六年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第2問 問8

問題

家族という集団に関心をもった生徒Yは、日本の2009年の臓器移植法改正について調べ、脳死した者(以下、「本人」という)に家族がいる場合における制度の改正前後の内容を次のメモにまとめた。後の記述ア〜ウのうち、メモから読みとれる内容として正しいものはどれか。当てはまるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑦のうちから一つ選べ。

2009年の法改正前の制度
○移植のために医師が臓器を摘出できるのは、本人が書面で臓器を提供する意思を表示しており、家族が拒まないときに限る。
○臓器を提供する意思を表示できるのは15歳以上の者に限る。

2009年の法改正後の制度
○移植のために医師が臓器を摘出できるのは、本人が書面で臓器を提供する意思を表示しており家族が拒まないときか、または、本人の臓器提供の意思は不明であるが家族が書面で臓器提供を承諾するときに限る。
○臓器を提供する意思を表示できるのは15歳以上の者に限られるが、臓器を提供しない意思は年齢にかかわらず表示できる。臓器を提供しない意思を表示していない15歳未満の者については、家族が書面で臓器提供を承諾することにより、移植のために医師が臓器を摘出できる。

ア 法改正の前後を通じて、本人が臓器を提供しない意思を表示していれば医師は臓器を摘出できないため、臓器を提供しないという本人の自己決定は、家族の意思にかかわらず実現される仕組みとなっている。
イ 法改正後は、本人の年齢にかかわらず、本人の臓器提供の意思が不明なときには家族の書面による承諾で医師が臓器を摘出できるが、本人が臓器を提供しない意思を表示しているときには臓器を摘出できない仕組みとなっている。
ウ 法改正後は、本人が臓器を提供する意思を書面で表示していれば家族が反対していても医師は臓器を摘出でき、臓器を提供すると本人の自己決定は、家族の意思にかかわらず実現される仕組みとなっている。

① ア
② イ
③ ウ
④ アとイ
⑤ アとウ
⑥ イとウ
⑦ アとイとウ

#国語問題

解説

正解:④

・国語の問題。本文を読んで、本文に適合する選択肢を選ぶだけの問題である
・本文の内容自体も長ったらしいだけで割と単純なので、そんなに難しくない問題である

・本文の内容をまとめると、上記のようになる筈である
⇒臓器提供意思表示は十五歳から、という話も本文には載っているが、この表の内容が変化するような話が載っている訳ではない
⇒本問が解けるかどうかは、このような表を「頭の中で」「ぱっと」作れるかどうかにかかっている…と言ってよい

ア 法改正の前後を通じて、本人が臓器を提供しない意思を表示していれば医師は臓器を摘出できないため、臓器を提供しないという本人の自己決定は、家族の意思にかかわらず実現される仕組みとなっている。

・正文
⇒本文やまとめた表を見ての通り、臓器を摘出できるのは「本人が書面で臓器を提供する意思を表示している」か「本人の臓器提供の意思は不明」が最低条件である(その上で家族の同意が必要)。という事は勿論、臓器を提供しない意思を表示している人からは臓器を摘出できない

イ 法改正後は、本人の年齢にかかわらず、本人の臓器提供の意思が不明なときには家族の書面による承諾で医師が臓器を摘出できるが、本人が臓器を提供しない意思を表示しているときには臓器を摘出できない仕組みとなっている。

・正文
⇒本文やまとめた表を見ての通り、「本人の臓器提供の意思は不明であるが家族が書面で臓器提供を承諾する」場合は臓器を摘出できる。また、アで考察したように、臓器を提供しない意思を表示している人からは臓器を摘出できない

ウ 法改正後は、本人が臓器を提供する意思を書面で表示していれば家族が反対していても医師は臓器を摘出でき、臓器を提供すると本人の自己決定は、家族の意思にかかわらず実現される仕組みとなっている。

・誤文
⇒本文やまとめた表を見ての通り、臓器を摘出できるのは「家族が拒んでいない」もしくは「家族が書面で臓器提供を承諾する」場合のみである。家族が反対していては臓器を摘出できない

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