令和六年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第4問 問2
問題
生徒X、生徒Y、生徒Zは、アジアの経済情勢についての現状分析を行った。経済発展には人口が重要な影響をもつと考え、2020年時点で、アジアで人口が多い上位3か国の年齢別・性別人口構成をとりまとめた次の図を作成し、アジアの経済情勢について話し合っている。後の会話文中の空欄( ア )・( イ )に当てはまる国名と語句との組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑥のうちから一つ選べ。
X:三つの図を比較すると、その形状は、傾向別に分けられそうだね。
Z:その形状は経済成長とも関連するという話を聞いたことがあるよ。
Y:今後、出生率と死亡率の変化の傾向に影響を与えるような要因が生じないと仮定して、2050年の年齢別・性別人口構成を予測すると、3か国のうち高齢化が進んで15歳から64歳までの生産年齢人口の総人口に占める割合が2020年より最も落ち込むと考えられる国は( ア )だね。
X:現在の日本もそうだけれど、2050年の( ア )で予測されるように総人口に占める生産年齢人口の割合が低下する状態は( イ )というよね。
Y:( イ )は経済成長にマイナスの影響を与えるといわれているね。
① ア インド イ 人口ボーナス
② ア インド イ 人口オーナス
③ ア インドネシア イ 人口ボーナス
④ ア インドネシア イ 人口オーナス
⑤ ア 中国 イ 人口ボーナス
⑥ ア 中国 イ 人口オーナス
解説
正解:⑤
・完全に国語の問題。会話文と図表を読み取れさえすれば、政治経済の知識は必要ない
・強いて言えばイは常識を聞いてくるが、そこも含めて国語の問題と言ってしまえばそう
X:現在の日本もそうだけれど、2050年の( ア )で予測されるように総人口に占める生産年齢人口の割合が低下する状態は( イ )というよね。
Y:( イ )は経済成長にマイナスの影響を与えるといわれているね。
・(イ)選択肢は「人口ボーナス」と「人口オーナス」である
・普通に考えて、ボーナスはいい事である
・じゃあ、「総人口に占める生産年齢人口の割合が低下する状態」はいい事か?
・じゃあ、「経済成長にマイナスの影響を与える」のはいい事か?
・…と考えると、まぁ(イ)は人口オーナスであると考えられる
Y:今後、出生率と死亡率の変化の傾向に影響を与えるような要因が生じないと仮定して、2050年の年齢別・性別人口構成を予測すると、3か国のうち高齢化が進んで15歳から64歳までの生産年齢人口の総人口に占める割合が2020年より最も落ち込むと考えられる国は( ア )だね。
・では、2050年に人口オーナス状態になる国(ア)はどれか?
※尚、上記にあるように、出生率や死亡率は特に変化しないものと仮定して考察する事になる
・ここで注目すべきは、図表中各国の若年人口の数値である
・各国を比較すると、中華人民共和国の若年人口が、露骨と言えば露骨なぐらい減っている
⇒インドネシア共和国も0~4歳人口は減っているし、インド共和国も今後ヤバそうな気配を感じさせる程度には20歳未満人口が減っているが、中華人民共和国はそういう問題ではない。「20~24」の数字より下のあたりが、とんでもない勢いで減っている
・今回想定されているのは2050年、つまり2020年から三十年後である
・2050年の中華人民共和国では、先に見た露骨に少ない層が、三十代から五十代、働き盛りとなる
・そして、その露骨に少ない層より上の世代は沢山いるので…
・という訳で、(ア)は中華人民共和国であると考えられる