令和六年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第4問 問4
問題
金融に関連して、生徒X、生徒Y、生徒Zは、家計の金融資産構成における日本、アメリカ、ヨーロッパの違いに関心をもち調べた。そして生徒たちは、日本、アメリカ、ヨーロエリアにおける家計の金融資産構成を示す次の資料をみつけ、その特徴について話し合っている。後の会話文中の空欄ア・イに当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑥のうちから一つ選べ。
X:アメリカは、日本やユーロエリアと比較すると株式等の保有比率が高いね。
Y:一般に、収益性が高い金融資産は、安全性や流動性が( ア )といわれているね。
Z:家計の金融資産構成にはリスクとリターンに対する考え方が現れているともいえるんだね。
Y:私は資産が減る可能性を最も低くしたいから、リターンが低くてもいいな。そういう意味では、この資料の中だと( イ )のような金融資産構成の方が好みが考え方に合っているね。
X:私はリスクが高くても将来的に資産が増える可能性が高い方がいいけどね。
① ア 低い イ 日本
② ア 低い イ アメリカ
③ ア 低い イ ユーロエリア
④ ア 高い イ 日本
⑤ ア 高い イ アメリカ
⑥ ア 高い イ ユーロエリア
解説
正解:①
復習用資料:経済分野第二章/社会保障
・金融に関係する問題。国語能力と常識があれば解ける
・常識と言うのは、例えば「現金とか預金って、よっぽどの事がないと消し飛ばないよね」である
⇒箪笥の中に現金を貯金してたら家が燃えて一緒に燃えちゃったとか、貯金を全部銀行に預けてたら銀行が潰れちゃって引き出せなくなっちゃった、とか
・他にも、「株って要はギャンブルだよね」というのも常識と言えるだろう
⇒株は株でも、「この会社を応援しよう」ではなく「安い内に買って高くなったら売り払おう」はまぁギャンブルと言ってしまってよい
Y:一般に、収益性が高い金融資産は、安全性や流動性が( ア )といわれているね。
・勿論、沢山儲かるものはリスクが高い(安全性が低い)、というのも常識である
・故に(ア)は「低い」であろう
Y:私は資産が減る可能性を最も低くしたいから、リターンが低くてもいいな。そういう意味では、この資料の中だと( イ )のような金融資産構成の方が好みが考え方に合っているね。
・では、資産が減る可能性を最も低くしたいのであれば、日米欧どの形がよいか?
・例えば米国型は、株の比率が高すぎる。株は儲かるがその分ギャンブルである
・一方、日本型は、余程の事がなければ消滅しない「現金・預金」による資産形成が半分を超える
・こう考えると、日本型の金融資産構成がYの好みに合うと考えられる
※ただこの問題、「いやでもインフレしてると現金って価値下がっていくよな…?」という話を考慮に入れてしまうと大変面倒な事になってしまう。そういう考え方を考慮に入れるのであれば、ユーロエリアの金融資産構成が最も安定的とも言えそうな感じがしてしまう。うーんあんまりいい問題じゃないですねこれ…