令和六年度 大学入学共通テスト追試験 現代社会 第4問 問6

問題

日本の過去の思想家に関して、マキタさんは先生から福沢諭吉、新渡戸稲造、夏目漱石を教えてもらった。次のア〜ウは、これらの人々の本から抜き書きしたカードである。このなかで、新渡戸稲造と夏目漱石のカードの組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑥のうちから一つ選べ。

ア 武士道はかかる[知識それ自体を目的とする]知識を軽んじ、知識はそれ自体を目的として求むべきではなく、叡智(えいち)獲得の手段として求むべきであるとなした。それ故に、この目的にまで到達せざる者は、注文に応じて詩歌名句を吐きだす便利な機械に過ぎざるものとみなされた。かくして知識は人生における実践躬行(きゆうこう)と同一視せられ[た。]
(注1)実践躬行とは、知識の実践的適用のことである。
(注2)一部表現を改変している。以下のカードも同様である。

イ 身分重くして貴ければ自(おの)ずからその家も富んで、下々(しもじも)の者より見れば及ぶべからざるようなれども、その本(もと)を尋ぬればただその人に学問の力あるとなきに由(よ)って、その相違も出来(いでき)たるのみにて、天より定めたる約束にあらず。諺(ことわざ)に云(いわ)く、天は富貴(ふうき)を人に与えずしてこれをその人の働きに与うるものなりと。……人は生れながらにして貴賤(きせん)貧富の別なし。

ウ たとえば西洋人がこれは立派な詩だとか、口調が大変好(よ)いとかいっても、それはその西洋人の見る所で、私の参考にならん事はないにしても、私にそう思えなければ、到底受売(うけうり)をするべきはずのものではないのです。私が独立した一個の日本人であって、……これくらいの見識は国民の一員として具(そな)えていなければならない上に、世界に共通な正直という徳義を重んずる点から見ても、私は私の意見を曲げてはならないのです。

① 新渡戸稲造―ア 夏目漱石―イ   ② 新渡戸稲造―ア 夏目漱石―ウ
③ 新渡戸稲造―イ 夏目漱石―ア   ④ 新渡戸稲造―イ 夏目漱石―ウ
⑤ 新渡戸稲造―ウ 夏目漱石―ア   ⑥ 新渡戸稲造―ウ 夏目漱石―イ

#倫理分野

解説

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