令和六年度 大学入学共通テスト追試験 政治・経済 第2問 問6

問題

グローバル化時代に関連して、生徒Xと生徒Yが、外国人との共生社会のあり方について話し合っている。次の会話文中の空欄( ア )には後の語句aかb、空欄( イ )には後の記述cかdのいずれかが当てはまる。空欄( ア )・( イ )に当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後の①〜④のうちから一つ選べ。

X:バスや電車、さらには商品パッケージでも文字や言語によらず情報を伝えるマークをよくみかけるようになったね。
Y:ひと目で情報が得られて、外国人にもわかりやすくていいよね。日本で暮らす外国人が増えているし、災害時の対応を考えても、情報を得る上での( ア )を進めることは今後ますます大事になりそうだね。
X:そういえば、市民講座で( イ )と学んだよね。
Y:そうだったね。外国人との共生社会を作るためには、企業や地域社会の取組みも重要になってくるね。

( ア )に当てはまる語句
a デジタル・デバイド
b バリアフリー

( イ )に当てはまる記述
c 外国人労働者にも、労働者災害補償保険(労災保険)が適用される
d 外国人労働者には、労働基準法が適用されない

① ア―a イ―c
② ア―a イ―d
③ ア―b イ―c
④ ア―b イ―d

#時事問題

解説

正解:③

・普段から報道を見ていたり、世の中を見る解像度を高くしていたりすれば問題なく解ける問題
・逆に言えば、教科書的な知識で解く問題ではない

X:バスや電車、さらには商品パッケージでも文字や言語によらず情報を伝えるマークをよくみかけるようになったね。
Y:ひと目で情報が得られて、外国人にもわかりやすくていいよね。日本で暮らす外国人が増えているし、災害時の対応を考えても、情報を得る上での( ア )を進めることは今後ますます大事になりそうだね
a デジタル・デバイド
b バリアフリー

・このXとYは、明らかに情報を得る上でのバリアフリーの話をしている
⇒要するに、言語情報以外で情報を伝えるようにすれば、日本語が分からない外国人も楽でいいよねという話である

・一方、デジタル・デバイドという言葉は情報格差を指す
・要するに、スマホやパソコンを使える人と使えない人で様々な格差がつくよねという話である
⇒このXとYは、日本人と外国人で格差を広げようという話はしていない

・よって、(ア)はbである

余談:日本では「○」は「OK」「×」は「駄目」を意味するが、国によっては逆だったりする。同様に、日本では「頷く」という動作は「はい」、「首を横に振る」という動作は「いいえ」を意味するが、国によっては逆だったりする。情報のバリアフリーとか言ってキャッキャしてて大丈夫なんですかね?

X:そういえば、市民講座で( イ )と学んだよね。
c 外国人労働者にも、労働者災害補償保険(労災保険)が適用される
d 外国人労働者には、労働基準法が適用されない

・こんな事を知識として知っている高校生はそうはいないと思われるが、よく考えてほしい
・現代日本社会は、「日本人も外国人も平等に扱おう」か「格差をつけよう」かどっちか?
・例えば、「外国人に無限に労働させて、日本人は楽をしよう」みたいな国か?
・…というのを考えれば、自ずと答えは出る

・よって、(イ)はcである

余談:「自国人と外国人の間に格差をつけよう」みたいな類の国も存在はする。例えば中東湾岸諸国では「出稼ぎ・移民労働者による犯罪はほぼありません!」みたいな国が結構あるが、大抵の場合、要はとんでもない格差がついているから犯罪も起きない(犯罪を起こせるような扱いを受けていない)のである

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