令和六年度 大学入学共通テスト追試験 政治・経済 第3問 問8
問題
生徒Yは、模擬授業後、下線部について調べた結果、世界的な問題として「南北問題」や「南南問題」があることを知った。次の記述ア〜ウのうち、「南北問題」や「南南問題」に関する記述として正しいものはどれか。当てはまるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑦のうちから一つ選べ。
ア 「南北問題」の歴史的背景の一つには、「南」において植民地時代にモノカルチャー経済が形成されたことがある。モノカルチャー経済とは、単一あるいは少数の工業製品の生産や輸出に依存する経済のことである。
イ 「南北問題」についての協議を行うために国連開発計画(UNDP)が創設され、初代事務局長のプレビッシュによる報告に基づいて一次産品の価格安定化などがめざされた。
ウ 「南南問題」が生じた背景の一つには、「南」の中で新興工業経済地域(NIES)と呼ばれる工業化が比較的進んだ国々や地域が現れた一方で、後発発展途上国(LDC)と呼ばれる開発が遅れている国々も存在することがある。
① ア
② イ
③ ウ
④ アとイ
⑤ アとウ
⑥ イとウ
⑦ アとイとウ
解説
・国際経済テーマ史の中でも、「南北問題」を扱う知識問題
・素直な知識問題であり、ちゃんと勉強していればスッと解ける
ア 「南北問題」の歴史的背景の一つには、「南」において植民地時代にモノカルチャー経済が形成されたことがある。モノカルチャー経済とは、単一あるいは少数の工業製品の生産や輸出に依存する経済のことである。
・誤文。モノカルチャー経済は、「単一あるいは少数の“農産品”の生産や輸出に依存する経済」を指す
⇒「儲かる工業製品は宗主国が作って植民地に売りつける」「あんまり儲からない原料や農作物は、植民地が作って宗主国に送れ」でできるのがモノカルチャー経済である。君もVictoria3をプレイして、欧米諸国で太平洋の島を占領して全土農園にしよう。儲かる工業製品は本国で作って植民地に売りつけよう
イ 「南北問題」についての協議を行うために国連開発計画(UNDP)が創設され、初代事務局長のプレビッシュによる報告に基づいて一次産品の価格安定化などがめざされた。
・誤文。南北問題解決を主眼に設立されたのはUNCTAD(国連貿易開発会議)である
⇒プレビッシュ報告が、「援助よりも貿易を」、つまり発展途上国が貿易で儲けられるようにしろ、というものだったのは正しい
ウ 「南南問題」が生じた背景の一つには、「南」の中で新興工業経済地域(NIES)と呼ばれる工業化が比較的進んだ国々や地域が現れた一方で、後発発展途上国(LDC)と呼ばれる開発が遅れている国々も存在することがある。
・正文である