令和六年度 大学入学共通テスト追試験 政治・経済 第4問 問1
問題
生徒Xと生徒Yは、知的財産権の保護の必要性について議論している。次の会話文中の空欄( ア )には後の記述aかb、空欄( イ )には後の記述cかdのいずれかが当てはまる。空欄( ア )・( イ )に当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後の①〜④のうちから一つ選べ。
X:知的財産を盗用や濫用から保護することは、創作活動に必須の基盤だよね。
Y:でも、創作活動というのは、既存の作品をある程度は参照して行うものだよね。公表された創作物にみられる表現などは非競合性を有しているよね。非競合性というのは、( ア )とされているね。それらを知的財産権として保護して権利者に独占的な地位を与えるということは、かえって将来の創作活動を制限してしまう危険性はないかな。そもそもなぜ知的財産権を保護するんだろう。
X:一つの考え方としては、たとえば著作権を保護するのは、人々の創作活動への意欲を刺激して著作物を増やし、社会に有用な効果をもたらすためというものがあるよ。つまり、( イ )という考え方に基づくと、著作権者を保護するだけでなく、ほかの人の自由な創作活動を阻害しないように著作権法を設計する必要があるね。
( ア )に当てはまる記述
a ある人が消費しても、ほかの人の消費できる量が減ることはない性質
b 市場取引を介することなく利益を享受することができる性質
( イ )に当てはまる記述
c プライバシーへの配慮のために著作者の権利を保護する
d 文化発展という公益を促進する手段として著作権を保護する
① ア―a イ―c
② ア―a イ―d
③ ア―b イ―c
④ ア―b イ―d
解説
正解:②
・涙が出るほどマトモな会話をしている高校生の会話文を読んで答える国語問題
個人的な感想:「俺の二次創作はいい二次創作、あいつの二次創作は悪い二次創作」みたいな話をして延々と学級会やってる某ツィッタラントの人達に読ませてあげたいぐらいマトモな会話です
非競合性というのは、( ア )とされているね。それらを知的財産権として保護して権利者に独占的な地位を与えるということは、かえって将来の創作活動を制限してしまう危険性はないかな。
a ある人が消費しても、ほかの人の消費できる量が減ることはない性質
b 市場取引を介することなく利益を享受することができる性質
・非競合性は、公共、政治経済でも公共財を学ぶ時に出てくる単語である
・ただそれを忘れていても、国語の問題として解けてしまう
・「非競合性」という事はつまり「競合しない」という事である
・じゃあ「競合しない」ってどういう意味ですか、と言えばaであろう
・また、「(ア)みたいなのを独占させるって問題では?」という言葉の意味が通りやすいのもaである
・よって、(ア)はaである
X:一つの考え方としては、たとえば著作権を保護するのは、人々の創作活動への意欲を刺激して著作物を増やし、社会に有用な効果をもたらすためというものがあるよ。つまり、( イ )という考え方に基づくと、著作権者を保護するだけでなく、ほかの人の自由な創作活動を阻害しないように著作権法を設計する必要があるね。
c プライバシーへの配慮のために著作者の権利を保護する
d 文化発展という公益を促進する手段として著作権を保護する
・Xは明らかに、プライバシーの話はしていない
・ある作品の作者の利益を守るだけが著作権ではない、という話をしている
・その意味が通るのはdである
・よって、イはdである