令和七年度 大学入学共通テスト本試験 公共 第3問 問3

問題

生徒Bは、日本の裁判所はどのような役割を果たしているのかを、「公共」の授業を担当している先生に尋ねた。次の文章は、先生による解説の一部である。文章中の空欄[ ア ]には後の語句a・bのいずれかが、空欄[ イ ]には後の語句c・dのいずれかが、空欄[ ウ ]には後の記述e・fのいずれかが入る。空欄[ ア ]~[ ウ ]に入る語句や記述の組合せとして最も適当なものを、後の①~⑧のうちから一つ選べ。

 裁判所は、社会で起きている様々なトラブルを、法を適用して解決しています。裁判には、いくつかの種類があり、例えば、国や地方公共団体による公権力の行使を取り消したり、差し止めたりするための裁判は、[ ア ]と呼ばれています。
 裁判の当事者が、自分たちに適用される法律は憲法に違反しており、そもそも無効であると主張することがあります。こうした主張がされたときに、裁判所は、法律が憲法に違反しているかどうかを審査することができます。憲法は、最高裁は違憲法令審査の権限をもつ[ イ ]であると定めています。
 法律は、選挙によって選出された国会議員たちが、多数決原理に従って作るものです。そのため、多数派の選好や利害が反映されることがあります。憲法は、[ ウ ]ことを規定しているので、たった一人の個人であっても、憲法が保障している権利が侵害されているのかどうかを、裁判所に審査するよう求めることができます。したがって、少数派や個人の権利を擁護するという役割を裁判所が担うことが期待されているのではないでしょうか。

[ ア ]に入る語句
a 行政裁判
b 裁判員裁判

[ イ ]に入る語句
c 特別裁判所
d 終審裁判所

[ ウ ]に入る記述
e 何人も裁判を受ける権利を奪われない
f 最高裁の裁判官は国民審査に付される

①ア―a   イ―c   ウ―e
②ア―a   イ―c   ウ―f
③ア―a   イ―d   ウ―e
④ア―a   イ―d   ウ―f
⑤ア―b   イ―c   ウ―e
⑥ア―b   イ―c   ウ―f
⑦ア―b   イ―d   ウ―e
⑧ア―b   イ―d   ウ―f

#国語問題 #司法府(裁判所)

解説

正解:③

政治分野第三章/司法府(裁判所)に関する基本的な知識を問いつつ、国語能力も問う複合問題である
⇒[ ア ]と[ イ ]に関しては、司法府(裁判所)の知識を問うている。一方、[ ウ ]は、文脈に適した選択肢を選ぶだけでよい国語の問題である

例えば、国や地方公共団体による公権力の行使を取り消したり、差し止めたりするための裁判は、[ ア ]と呼ばれています
[ ア ]に入る語句
a 行政裁判
b 裁判員裁判

・裁判には、刑事裁判、民事裁判、行政裁判がある。この場合は行政裁判である
政治分野第三章/司法府(裁判所)の「司法府(裁判所)が扱う案件の種類」に記載がある

※尚、bの裁判員裁判も割とよく共テで問われる制度である。“裁判員裁判ってどんなんだっけ…”となる人は、司法府(裁判所)の最後の方、「司法制度改革」の「裁判員制度」を復習しておこう

憲法は、最高裁は違憲法令審査の権限をもつ[ イ ]であると定めています。
[ イ ]に入る語句
c 特別裁判所
d 終審裁判所

・cの「特別裁判所」だが、そもそも日本国憲法では、特別裁判所の設置が認められていない
⇒この点については司法府(裁判所)の「裁判所(司法府)の権限」で触れている。何なら、政治分野第二章/大日本帝国憲法と日本国憲法の「憲法そのものについて」でも触れている

・その上、最高裁が「終審裁判所」である事は憲法にもはっきり書いている。よって[ イ ]はdである
司法府(裁判所)の全編に渡って、最高裁が終審になる話が出てくる。正直これが分からなかった場合は、司法府(裁判所)の全体を復習し直した方がよい

[ ウ ]に入る記述
e 何人も裁判を受ける権利を奪われない
f 最高裁の裁判官は国民審査に付される

・eもfも日本国憲法に書いてある事実である。よって[ ウ ]に関しては、文脈で判断する必要がある

憲法は、[ ウ ]ことを規定しているので、たった一人の個人であっても、憲法が保障している権利が侵害されているのかどうかを、裁判所に審査するよう求めることができます。

・この文章は、要するに、“[ ウ ]がある以上、誰であっても裁判に訴える事ができる”である
⇒となれば当然、「e 何人も裁判を受ける権利を奪われない」が[ ウ ]に入るという話になる。逆に言えば、fの国民審査制度は、“誰であっても裁判に訴える事ができる”という話とは関係がない

・よって、[ ウ ]はeである

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