令和七年度 大学入学共通テスト本試験 公共 第3問 問4
問題
生徒Cと生徒Aは、日本における犯罪と刑罰の関係について、次の会話をした。会話文中の空欄[ ア ]・[ イ ]に入る後の記述a~cの組合せとして最も適当なものを、後の①~⑥のうちから一つ選べ。
C:裁判所で刑事裁判をいくつか傍聴してきたけど、被告人が有罪なのか、無罪なのかを決めるのは、本当に難しいことだと感じたな。
A:そうだね。人が人を裁くときは、公正な裁判に努めなければならない。それでも冤罪が生まれることはある。そういう場合に備えて、[ ア ]があるということを学んだね。
C:それ以外に気になることもある。過去にも刑罰を受けたことがある、という被告人もいたんだ。そういう人には、犯した罪に対する報いとして刑罰を科すだけでいいのかな。加害者が犯罪行為をするに至った原因を突き止めて、それを改善していくべきだと思う。
A:刑罰の目的にはいろいろなものがあるよね。「罪に対する報い」という考え方のほかに、「人々が罪を犯すことを予防する」、「本人が再び罪を犯すことがないようにする」という考え方もあるんだ。
C:なるほど。犯罪の予防に関わるものとしては、[ イ ]があると学んだよね。刑罰が何のためにあるのか、より深く考えていけば、犯罪が生じないような社会づくりのために何が必要なのかを考えることにもつながりそうだね。
a 判決の判断材料となった事実認定に合理的な疑いがもたれるような証拠が見つかったときに裁判をやり直す仕組み
b 犯罪被害者やその家族の被った損害を回復するために、国が給付金を支給する仕組み
c 罪を犯した20歳未満の少年について、保護や教育を通じた矯正を目指す仕組み
①ア-aイ-b
②ア-aイ-c
③ア-bイ-a
④ア-bイ-c
⑤ア-cイ-a
⑥ア-cイ-b
解説
正解:②
・知識を問う問題と文脈で判断する国語の問題の複合問題…に見せかけて、純粋な国語の問題である
⇒[ イ ]は、本当に純粋な国語の問題。一方[ ア ]は、いわゆる「人身の自由」に関係する知識を埋める部分なのだが、知識がなくても文脈の判断だけで埋められるように問題ができている
人が人を裁くときは、公正な裁判に努めなければならない。それでも冤罪が生まれることはある。そういう場合に備えて、[ ア ]があるということを学んだね。
・この文章は、以下の三つの要素で構成されていると言ってよいだろう
1:冤罪が発生すると非常にマズイ
2:とは言え、冤罪は、どんなに気を付けても起きる時は起きる
3:故に、[ ア ]が必要である
・上記三要素を踏まえた上で、abcのどれが[ ア ]に適するか、という話である
a 判決の判断材料となった事実認定に合理的な疑いがもたれるような証拠が見つかったときに裁判をやり直す仕組み
b 犯罪被害者やその家族の被った損害を回復するために、国が給付金を支給する仕組み
c 罪を犯した20歳未満の少年について、保護や教育を通じた矯正を目指す仕組み
・bは犯罪の被害者にどうこうするという話であり、濡れ衣を着せられた人には関係がない
・cは犯罪者を再教育するという話であり、濡れ衣を着せられた人にとってはどうでもよい
・翻ってaは、濡れ衣を着せられた人が、身の潔白を証明できる機会が与えられるという話である
⇒よって、[ ア ]はaである
※本来[ ア ]は、政治分野第二章/日本国憲法と人権(自由権)の「人身の自由」に載っている、再審制度をの知識を問う部分だったと思われる。が、結果的には、純粋に文脈だけで解けるようになってしまっている
犯罪の予防に関わるものとしては、[ イ ]があると学んだよね。
・この文章から、[ イ ]は犯罪予防に効果がある施策であろうと判断できる
※より正確には、上記文章は「過去にも刑罰を受けたことがある、という被告人もいたんだ。そういう人には、犯した罪に対する報いとして刑罰を科すだけでいいのかな」を受けてのものなので、“再犯予防に効果がある施策”が[ イ ]である
・既にaは[ ア ]で使っているので、bとcから選ぶ事になる
b 犯罪被害者やその家族の被った損害を回復するために、国が給付金を支給する仕組み
c 罪を犯した20歳未満の少年について、保護や教育を通じた矯正を目指す仕組み
・bは、犯罪の被害者に対してどうこうするという話である。犯罪(再犯)予防の話ではない
・cは、犯罪者に対して保護や教育を通じて、犯罪(再犯)を予防するという話である
⇒よって、[ イ ]はcである