令和七年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第2問 問3

問題

探究活動の成果を授業で発表する上で対話の力に注目した生徒Aの班は、哲学対話を実践している哲学カフェに参加し、参加者たちの発言を記録した。参加者たちの次の発言I~IIIのうち、帰納的に推論されているものの組合せとして最も適当なものを後の①~⑦のうちから一つ選べ。

I
哲学カフェの参加者にも、話し合うときの態度はいろいろあるけど、お互い安心して話せるように、穏やかな態度で相手の発言を最後まで聞き、よく考えてから発言するように取り決めたところ、対話が活発にできるようになった。これらの事実が何度もあったことから、活発な哲学対話は、安心して話せる取り決めがあれば可能になるという経験則が導き出せるね。

II
人間には、自分の考えや意見を自由に述べる権利があり、お互いに認め合い尊重し合う義務がある。そうであるならば、哲学カフェに限らず、職場でも学校でも、参加者がお互いに、相手には自由に発言する権利があると考え、相手の話を尊重して最後までしっかりと聞くことを対話のルールにしなければならないことになるね。

III
哲学カフェに初めて参加した人が素朴な質問をしてくれると、これまで繰り返し問うてきた問題に新たな光が当てられて、問いが深まった。そんなときに、対話のおもしろさが感じられた。同じ実感を他の参加者たちももっていた。これらの経験を基にして、どんなに素朴であっても、率直に質問や疑問を出し、問いを深めていくことが哲学対話の方針になったんだよ。

①I  ②II  ③III  ④IとII  ⑤IとIII  ⑥IIとIII  ⑦IとIIとIII

#倫理分野 #国語問題 #「公共」「公共、政治・経済」共通問題
※同年度本試験「公共」第1問の問3

解説

正解:⑤
復習用資料:倫理分野

・「帰納」という言葉さえ知っていれば、後は国語の問題
⇒ただ、「帰納」は別に公共や倫理でやらなくても、現代文をやる上で当然知っているべき「お堅い」単語のひとつなので…そう考えると純粋な論理国語の問題であるとも言える

  意味
演繹 ある前提を設定して、その前提から合理的に考える ・ソクラテスは人間である(前提1)
・人間は必ず死ぬ(前提2)
⇒ソクラテスは必ず死ぬ(演繹的な推論)
帰納 個々の事象から、その裏にある法則を推測する ・ソクラテスという人は死んだ(事象1)
・プラトンという人も死んだ(事象2)
・アリストテレスという人も死んだ(事象3)
⇒人間って皆死ぬのでは…?(帰納的に導かれた法則)

・上記を頭に入れた上で、I~IIIの文章を読んでいけばよい

I
哲学カフェの参加者にも、話し合うときの態度はいろいろあるけど、お互い安心して話せるように、穏やかな態度で相手の発言を最後まで聞き、よく考えてから発言するように取り決めたところ、対話が活発にできるようになった。これらの事実が何度もあったことから、活発な哲学対話は、安心して話せる取り決めがあれば可能になるという経験則が導き出せるね。

・Iの文章の大意は、以下のようなものである
1:ある取り決めを作ってやったところ、何回もうまくいった
2:って事はこの取り決めは有用なのでは…?

・これは明らかに、帰納的な考え方である

II
人間には、自分の考えや意見を自由に述べる権利があり、お互いに認め合い尊重し合う義務がある。そうであるならば、哲学カフェに限らず、職場でも学校でも、参加者がお互いに、相手には自由に発言する権利があると考え、相手の話を尊重して最後までしっかりと聞くことを対話のルールにしなければならないことになるね。

・IIの文章の大意は、以下のようなものである
1:人間には、権利や義務がある(前提)
2:だから全ての人は、他者の権利を尊重したり、自分の義務を果たしたりしなければならない(前提を踏まえた合理的な結論)

・これは明らかに、演繹的な考え方である

III
哲学カフェに初めて参加した人が素朴な質問をしてくれると、これまで繰り返し問うてきた問題に新たな光が当てられて、問いが深まった。そんなときに、対話のおもしろさが感じられた。同じ実感を他の参加者たちももっていた。これらの経験を基にして、どんなに素朴であっても、率直に質問や疑問を出し、問いを深めていくことが哲学対話の方針になったんだよ。

・IIIの文章の大意は、以下のようなものである
1:素人質問が、哲学をやる上でむしろ有用になった…という経験が沢山ある
2:だから、素人でも率直に質問や疑問を言ってもらうようにした方がよさそう

・これは明らかに、帰納的な考え方である

・よって、IとIIIが帰納的な推論を表した文章である

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