令和七年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第6問 問3
問題
生徒Xは、経済の仕組みに関心をもっていろいろな本を読む中で、イノベーション(技術革新)に関連する記述をみつけ、生徒Yとイノベーションについて話し合っている。次の会話文中の空欄[ ア ]~[ ウ ]に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の①~④のうちから一つ選べ。
X:人口に関する本を読んでいたらイノベーションの話が出てきたよ。イノベーションが経済成長の源泉になっているんだね。そして経済成長の指標には実質GDP(国内総生産)が使われることが多いけど、仮に人口が減少し実質GDPが伸び悩む状況の下でも、[ ア ]考えると、イノベーションによる生産性の上昇があれば生活水準を高めることは可能だとわかると書いてあったよ。イノベーションを担うのは主に企業だから、企業の活動にはなるべく制約をかけず、新しい発想をもった企業が参入できることが必要なのではないかな。
Y:でも、自由な経済活動は必ずしもよいことばかりではないと思うよ。アイデアやデザインなどの知的財産権の保護を[ イ ]すぎると、せっかくのアイデアなどを勝手に使われてしまうね。逆に保護を[ ウ ]すぎると、アイデアなどを新しい研究開発に利用できなくなったり、高額の使用料を求められることになったりするね。結局どちらもイノベーションを妨げる要因となるかもしれないよ。
X:なるほど、健全な経済活動の維持発展には企業の行動をバランスよく規制することも重要なんだね。
Y:そのため司法や行政の役割も調べてみよう。
①ア:一人当たりで イ:強め ウ:弱め
②ア:一人当たりで イ:弱め ウ:強め
③ア:固定資本減耗を控除して イ:強め ウ:弱め
④ア:固定資本減耗を控除して イ:弱め ウ:強め
解説
正解:②
・基本的には読み解くだけの、国語の問題である
⇒一応、「GDPって何?」ぐらいの事は分かっておきたいが、それは政治経済の知識と言うよりは一般常識なので…
経済成長の指標には実質GDP(国内総生産)が使われることが多いけど、仮に人口が減少し実質GDPが伸び悩む状況の下でも、[ ア ]考えると、イノベーションによる生産性の上昇があれば生活水準を高めることは可能だ
・選択肢は「一人当たりで」「固定資本減耗を控除して」である
・当たり前だが、GDPは、その国がどれぐらい豊かかを表す指標である
・具体的には、その国で生産されたモノ・サービスの価格と個数を掛けて合計したものである
・これも当たり前だが、人口が減れば生産できる商品の数も減る
・つまり、GDPは伸びづらくなる。著しくは減少する
・しかし、「イノベーションによる生産性の上昇があれば」…というのが[ ア ]である
⇒即ち、GDP自体は増えていなくとも、国民一人あたりが生産できる商品の数が増えれば、実質的には豊かになれる、という話である
・こうなってくれば当然、[ ア ]に入るのは「一人当たりで」しかあり得ない
アイデアやデザインなどの知的財産権の保護を[ イ ]すぎると、せっかくのアイデアなどを勝手に使われてしまうね。逆に保護を[ ウ ]すぎると、アイデアなどを新しい研究開発に利用できなくなったり、高額の使用料を求められることになったりするね。
・知的財産権の代表例が特許権だが、特許の本質とは、独占である
・即ち、ある人が発明した新商品を、その人しか作ってはいけない、というのが特許である
⇒本質的にそういう性質を持つのが知的財産権であるから、その保護が強すぎると「アイデアなどを新しい研究開発に利用できなくなったり、高額の使用料を求められることになったり」する訳である
・と考えると、[ イ ]が「弱め」、[ ウ ]が強めである事はすぐに分かるだろう