令和四年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第1問 問4

問題

空き家について、生徒Xは、国土交通省のWebページで「空家等対策の推進に関する特別措置法」(以下、「空家法」という)の内容を調べ、次のメモを作成した。Xは生徒Yと、メモをみながら後の会話をしている。後の会話文中の空欄[ ア ]・[ イ ]に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを後の①~⑥のうちから一つ選べ。

メモ
1.「空家等」(空家法第2条第1項)
 ・建築物やそれに附属する工作物で居住等のために使用されていないことが常態であるもの、および、その敷地。
2.「特定空家等」:次の状態にある空家等(空家法第2条第2項)
 (a)倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
 (b)著しく衛生上有害となるおそれのある状態
 (c)適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
 (d)その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
3.特定空家等に対する措置(空家法第14条)
 ・特定空家等の所有者等に対しては、市町村長は、特定空家等を取り除いたり、修繕したりするなど、必要な措置をとるよう助言や指導、勧告、命令をすることができる。
 ・上記(a)または(b)の状態にない特定空家等については、建築物を取り除くよう助言や指導、勧告、命令をすることはできない。

X:空家法によると、市町村長は、所有者に対し建築物を取り除くよう命令し、従わない場合は代わりに建築物を取り除くこともできるみたいだよ。
Y:そうなんだ。でも、市町村長が勝手に私人の所有する建築物を取り除いてしまってもよいのかな。
X:所有権といえども、絶対的なものとはいえないよ。日本国憲法第29条でも、財産権の内容は「[ ア ]」に適合するように法律で定められるものとされているね。空家法は所有権を尊重して、所有者に対し必要な措置をとるよう助言や指導、それから勧告をすることを原則としているし、建築物を取り除くよう命令できる場合を限定もしているよ。でも、空家法が定めているように[ イ ]には、所有者は、建築物を取り除かれることになっても仕方ないんじゃないかな。
Y:所有権には所有物を適切に管理する責任が伴うということだね。

① ア 公共の福祉   イ 周辺住民の生命や身体に対する危険がある場合
② ア 公共の福祉   イ 周辺の景観を著しく損なっている場合
③ ア 公共の福祉   イ 土地の有効利用のための必要性がある場合
④ ア 公序良俗   イ 周辺住民の生命や身体に対する危険がある場合
⑤ ア 公序良俗   イ 周辺の景観を著しく損なっている場合
⑥ ア 公序良俗   イ 土地の有効利用のための必要性がある場合

#国語問題 #日本国憲法と人権(総論)

解説

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