令和七年度 大学入学共通テスト試作問題 公共、政治・経済 第4問 問2

問題

日本と他国の雇用慣行に関するデータについて、生徒Yは、日本、イギリス、スウェーデン、ドイツの4か国の雇用慣行を比較して考えてみた。次の表は、これら4か国の雇用慣行を数値で表したものであり、表中のA~Dは、それぞれ、これら4か国のいずれかを示している。なお、表中の(ア)は勤続年数1~5年の賃金を100としたときに賃金が勤続年数に応じてどのぐらい変化するかを、(イ)は年齢階層別の平均勤続年数を、(ウ)は数値が大きくなるほど賃金交渉を主導する主体が企業別組合から産業別組合へ移ることを意味する「賃金交渉の集権度」を、それぞれ表している。表と後の説明文1~3とを参考にして、A~Dが示す国の組合せとして最も適当なものを、後の①~⑧のうちから一つ選べ。

説明文1 同一労働同一賃金が浸透しているとされるスウェーデンでは、他国に比べて、賃金水準が勤続年数とは独立に決まっている。
説明文2 労働市場の流動性が高いことなどを背景に、イギリスの平均勤続年数はどの年齢階層においても日本より短くなっている。
説明文3 ドイツおよびスウェーデンは、賃金交渉の集権度の面で、日本とは異なっている。

  A B C D
ドイツ 日本 イギリス スウェーデン
日本 イギリス スウェーデン ドイツ
イギリス スウェーデン ドイツ 日本
スウェーデン ドイツ 日本 イギリス
イギリス 日本 ドイツ スウェーデン
日本 ドイツ スウェーデン イギリス
ドイツ スウェーデン イギリス 日本
スウェーデン イギリス 日本 ドイツ

#国語問題 #労働問題

解説

正解:①
労働問題

・ほぼ論理国語の問題
・ただ、全て国語力だけで解ける訳ではなく、ちょっとだけ公共・政治経済の知識が必要
⇒「日本社会は企業別労働組合が主流」という事だけは覚えている必要がある

・ちゃんとやれば時間もかからないので、国語問題の中では良問かも?

(ウ)は数値が大きくなるほど賃金交渉を主導する主体が企業別組合から産業別組合へ移ることを意味する

・経済分野の労働問題のところで、「現代日本社会は、企業別労働組合が主流」と習う
・という事は、日本国は(ウ)の数字が小さい筈である
・そう思って表を見ると、B国とC国が企業別労働組合主流社会だと分かる

説明文3 ドイツおよびスウェーデンは、賃金交渉の集権度の面で、日本とは異なっている。

・つまるところ、ドイツ連邦共和国とスウェーデン王国は、ウの数字が日本とは異なるという事である
・既に見たように、B国かC国が日本であると考えられる
・そしてこの説明文3から、残るA国D国に独瑞両国が該当すると考えられる
・問題は、どちらがA国でどちらがD国か、という点にある

説明文1 同一労働同一賃金が浸透しているとされるスウェーデンでは、他国に比べて、賃金水準が勤続年数とは独立に決まっている。

・この説明文を念頭にA国とD国の賃金を見ると…
A国:勤続年数が増えると賃金も増える
D国:勤続年数と賃金に相関関係が全くない

・という事は、A国がドイツ連邦共和国、D国がスウェーデン王国である
・そしてこの時点で、実は、答えが出ている
・と言うのは、A独D瑞の選択肢が、そもそも①しかないのである

・よって正解は①となるが、念のため、説明文2も参照しておこう

説明文2 労働市場の流動性が高いことなどを背景に、イギリスの平均勤続年数はどの年齢階層においても日本より短くなっている。

・既にA国D国は独瑞と分かっており、残る日英がB国C国に該当する筈である
・そして、説明文2から、「イギリスの平均勤続年数はどの年齢階層においても日本より短」い
・そう思って表を見てみると、平均勤続年数は常にC国の方が短い

・よって、B国が日本国、C国がイギリスという事になる
・これは、選択肢①に合致する推論である

・よって、やはり正解は①となる

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