令和五年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第1問 問4

問題

地球温暖化対策に関連して、生徒Xは、日本の地球温暖化対策に関心をもち、次の資料を作成した。資料中の空欄[ ア ]には後の記述aかb、空欄[ イ ]には後の記述cかd、空欄[ ウ ]には資料中の図eか図fのいずれかが当てはまる。空欄[ ア ]~[ ウ ]に当てはまるものの組合せとして正しいものを後の①~⑧のうちから一つ選べ。

 政府は、2020年10月、2050年までに二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を日本全体として実質ゼロにすると宣言した。この宣言の意味は、化石燃料に替わる新たなエネルギーや新技術の開発などを進めることにより[ ア ]ということであった。
 日本のこれまでの温室効果ガス排出削減対策をみると、2012年に固定価格買取制度が導入された。この制度は、[ イ ]を対象としている。その影響を調べるために、2012年以降の発電電力量のデータをもとに次の図eと図fを作成した。図eと図fはそれぞれ、2012年と2019年のいずれかのものである。

 これらの図から、化石燃料による発電電力量の比率が合計発電電力量の75%以上も占めていることがわかる。さらに、電力以外のエネルギー利用からの温室効果ガス排出も含めて考えると、政府目標を達成する道のりはけわしいといえる。ただし、固定価格買取制度の影響は、電源別発電電力量の比率から読みとることができる。2019年の図は[ ウ ]となる。

[ ア ]に当てはまる記述
a温室効果ガスを排出するエネルギーの使用をゼロにする
b温室効果ガスの排出量と植物などによる吸収量との間の均衡を達成する

[ イ ]に当てはまる記述
c再生可能エネルギーによる発電
d原子力エネルギーによる発電

①ア―a イ―c ウ―図e  ②ア―a イ―c ウ―図f
③ア―a イ―d ウ―図e  ④ア―a イ―d ウ―図f
⑤ア―b イ―c ウ―図e  ⑥ア―b イ―c ウ―図f
⑦ア―b イ―d ウ―図e  ⑧ア―b イ―d ウ―図f

#国語問題 #公害問題、環境問題

解説

正解:⑤
復習用資料:経済分野第二章/公害問題、環境問題

政府は、(中略)二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を日本全体として実質ゼロにすると宣言した。この宣言の意味は(中略)[ ア ]ということであった。
a温室効果ガスを排出するエネルギーの使用をゼロにする
b温室効果ガスの排出量と植物などによる吸収量との間の均衡を達成する

・よく見ると、「実質ゼロ」と書いてある
・当たり前だが、「実質ゼロ」とは「ゼロ」という意味ではない
・「ごはん食べた分だけ運動すればゼロカロリー」みたいな意味である
・そういう意味の文章は、勿論bである

日本のこれまでの温室効果ガス排出削減対策をみると、2012年に固定価格買取制度が導入された。この制度は、[ イ ]を対象としている。
c再生可能エネルギーによる発電
d原子力エネルギーによる発電

・固定価格買取制度の対象は、いわゆる再生可能エネルギー(本当に再生可能かは別)である

固定価格買取制度の影響は、電源別発電電力量の比率から読みとることができる。2019年の図は[ ウ ]となる。

・図eと図fを比べてみよう
・太陽光発電等のいわゆる再生可能エネルギーの比率は、図eで明らかに増えている
⇒例えば太陽光発電は図fで0.6%、図eで6.7%である

・よって、図eが正解と考えられる

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