令和五年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第2問 問7
問題
国債保有高に関連して、生徒Xは、日本国債の保有者の構成比について関心をもった。そこでXは、2011年3月と2021年3月における日本国債の保有者構成比および保有高を調べ、次の図を作成した。図に示された構成比の変化に関する記述として最も適当なものを、後の①~④のうちから一つ選べ。
①日本銀行の金融引締め政策を反映しており、日本銀行が日本政府の発行した国債を直接引き受けた結果である。
②日本銀行の金融緩和政策を反映しており、日本銀行が民間金融機関から国債を購入した結果である。
③日本銀行の金融引締め政策を反映しており、日本銀行が民間金融機関に国債を売却した結果である。
④日本銀行の金融緩和政策を反映しており、日本銀行が日本政府の発行した国債を直接引き受けた結果である。
解説
正解:②
復習用資料:経済分野第一章/金融政策と銀行
復習用資料:経済分野第四章/失われた三十年
・基本的には、金融政策と銀行の知識を問う問題
・もしくは、日本経済通史の中でも「失われた三十年」の知識で解ける場合もある
・図を見ての通り、2011年から2021年で、国債がかなり増えている
・また、比率で言うと、日本銀行による国債保有率が8%から48%と爆増している
・これが何故かというのは、日本経済通史の授業でも、金融政策と銀行の授業でも喋っている
・そう、いわゆるアベノミクスによる、大規模な金融緩和の結果である
・現代日本では、政府が発行した国債を日本銀行が直接買う事は禁止されている
※いわゆる財政ファイナンスの禁止
・故にアベノミクスでは、買いオペを利用した
・即ち、発行した国債を一旦民間の金融機関に買わせ、それを日本銀行が無限に買い取る方式である
・だからこそ、アベノミクスでは国債を大量発行できたのである
・もっと言えば、だからこそ、本問の図にあるように日本銀行所有の国債が激増したのである
②日本銀行の金融緩和政策を反映しており、日本銀行が民間金融機関から国債を購入した結果である。
・この辺の事情を理解していれば、②が正解と分かる