令和五年度 大学入学共通テスト追試験 政治・経済 第3問 問6
問題
経済格差に関連して、生徒は、日本における個人の経済格差について学習を進めた。経済格差に関する次の記述ア~ウのうち、正しいものはどれか。当てはまるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、後の①~⑦のうちから一つ選べ。
ア ジニ係数が上昇した場合、所得格差が拡大したといえる。
イ 相続税の累進性を強化することにより、資産を多く相続する者の税負担が軽減される。
ウ 公的扶助には、所得再分配機能がある。
①ア ②イ ③ウ ④アとイ ⑤アとウ ⑥イとウ ⑦アとイとウ
解説
正解:⑤
復習用資料:経済分野第一章/財政、予算、会計
復習用資料:経済分野第一章/貧富の格差を表す指標
・貧富の格差を表す指標(と言うかジニ係数)と財政政策の知識を問うてくる、基本的な問題
・こういう簡単な知識問題は落とさないようにしたい。難問奇問より基本問題である
ア ジニ係数が上昇した場合、所得格差が拡大したといえる。
・ジニ係数は1に近ければ近いほど格差が大きく、0に近ければ近いほど平等、という指標である
・よって、アは正文である
イ 相続税の累進性を強化することにより、資産を多く相続する者の税負担が軽減される。
・財政政策、もしくは税のところでやる「累進課税」を理解していれば解ける選択肢
・累進課税は簡潔に言えば、金持ちからはガッツリ、貧乏人からは殆ど取らない税金である
・金持ちなら当然、沢山資産を相続する
・だから累進性が相続税の累進性が強ければ、沢山税金を払う事になる
・これは、イに書いてある内容とは全く逆である
・よって、イは誤文である
ウ 公的扶助には、所得再分配機能がある。
・財政政策には三つの機能がある、という話を覚えていれば解ける選択肢
・即ち、財政政策には資源配分調整機能、所得再分配機能、経済安定化機能(景気調整機能)がある
・そして所得再分配機能の典型例が、累進課税で集めたカネを社会保障で貧困層に配る事なのだ
・勿論、公的扶助も社会保障の一種である
・よって、ウは正文である