令和六年度 大学入学共通テスト追試験 政治・経済 第1問 問2
問題
税制に関連して、生徒Yは、日本の国税について学習を進めた。次の図は、1990年度と2019年度の国税の内訳を示したものである。図中の空欄( ア )〜( ウ )には、「消費税」、「所得税」、「法人税」のいずれかの語句が当てはまる。また、後の記述a〜cは、日本における消費税、所得税、法人税のいずれかに関するものである。空欄( ア )〜( ウ )と記述a〜cとの組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑥のうちから一つ選べ。
a 企業の国際競争力の強化などを図るため、1980年代後半以降、繰り返し減税が行われてきた。
b 諸外国における付加価値税に相当し、特定の品目に対して軽減税率が導入されている。
c 累進課税制度により垂直的公平を図ることができるが、過度に高い税率が設定された場合には、勤労意欲が阻害されるとの指摘もある。
① ア―a イ―b ウ―c ② ア―a イ―c ウ―b
③ ア―b イ―a ウ―c ④ ア―b イ―c ウ―a
⑤ ア―c イ―a ウ―b ⑥ ア―c イ―b ウ―a
解説
正解:⑤
復習用資料:経済分野第一章/税
・税の知識を問うている問題
・どこから解いてもよいが、まずは、(ア)~(ウ)がそれぞれ何税なのかから始めてみよう
・図を見ると、(ウ)だけが間接税である
・そして一般に消費税は間接税とされ、所得税と法人税は直接税とされる
・よって(ウ)が消費税と分かる
・更に(ア)は、2019年度に至っても割合一位である
・無論、そろそろ(ウ)、即ち消費税に抜かれそうだが、それでもまだ、最も高い割合を誇る
・これはまさに、所得税の特徴であると言える
⇒国税の中では長年、2019年までは【所得税】が一位、次いで【消費税】、【法人税】というのが定番であった。消費税率が10%になったのが2019年十月で、この効果により、2020年度の会計から消費税が一位になっている
・よって(ア)が所得税と分かり、消去法で(イ)が法人税と分かる
・つまり現時点で、以下のようであると分かっている
ア:所得税
イ:法人税
ウ:消費税
・後は、はっきり言って消化試合である。ほぼ国語の問題と言ってしまってもよい
b 諸外国における付加価値税に相当し、特定の品目に対して軽減税率が導入されている。
・「特定の品目に対して軽減税率」という文言、明らかに消費税の可能性が高い。よってウ‐cである
⇒税について詳しく知らない高校生でも、「コンビニでものを買う時、イートイン使う使わないで消費税率が変わる」というのは知っているだろう。アレである
c 累進課税制度により垂直的公平を図ることができるが、過度に高い税率が設定された場合には、勤労意欲が阻害されるとの指摘もある。
・累進課税制度の代表選手が所得税、というのは政治経済の授業で必ずやるところ。よってア‐cである
⇒なお、法人税と消費税は比例税である
a 企業の国際競争力の強化などを図るため、1980年代後半以降、繰り返し減税が行われてきた。
・消去法で既に、aが法人税だというのは分かっている。よってイ‐aである
・消去法抜きにしても、減税して企業の競争力が強化されるのは「会社から取る税金」が最右翼である