・日本では、租税(税金)は全て、法律で規定する事になっている。これを[租税法定主義]と言う
・そんな租税の中でも、国に納めるものを【国税】、地方公共団体に納めるものを【地方税】と言う
・地方税の代表例は、[都道府県民税]と[市町村民税]
※いわゆる住民税というのは、この二つの税を合わせて言うもの
・国税の代表例は、【所得税】【法人税】【消費税】
⇒ある個人が一年に稼いだカネに課税するのが所得税。ある企業(法人)が一年に稼いだカネに課税するのが法人税。誰かがモノを買った時、ついでにかかるのが消費税

・国税の中では、2019年までは【所得税】が一位、次いで【消費税】、【法人税】だった
・度重なる増税で、2020年から、消費税が一位になった
※消費税率が10%になったのが2019年十月。その効果で2020年度の会計から一位になっている

・では、この三つの税を軸に、税について見ていこう

○直接税、間接税

・納税義務者と租税負担者が同一な税金を[直接税]と言う
⇒言い方を変えると、税金を負担する者が、自分で納める類の税。[所得税、法人税]はこれ
・納税義務者と租税負担者が異なる税金を[間接税]と言う
⇒代表選手は[消費税]。消費税は、誰であろうと、それこそ幼稚園児であろうとも払っている税金だが、国に直接納めてはいない。商品の料金と一緒に店が徴収して、店が国に納めている。つまり、納税義務者(店の人)と租税負担者(商品を買った人)が異なる、という話
・ちなみに、戦前の税収は間接税の方が多かった。戦後は[直接税]の方が多い

○累進税、比例税

・課税標準に応じて税率が変化する税金を【累進税】と言う
⇒代表例は【所得税】。課税標準は、税金額計算の対象になる金額。仮に昨年度の所得が1000万だった人がいたとして、昨年度の所得税はこの1000万を対象に計算される
・課税標準に関係なく、税率が一定の税金を【比例税】と言う
⇒【消費税や法人税】はこれ

~ここから雑談~
 基本的に、誰であっても、一銭たりとて払いたくないもの。それが税金である。実は、だからこそ税金にはできるという事もある。
 好景気の時は皆勝手にカネを使うが、不景気の時はなかなかカネを使わない。ただそれでも、ある一定額のカネをどうしても消費しなければならないのであれば、税金として払うよりは、自分のモノを買うのに使いたい、というのが人情である。
 これを可能にするのが「経費」という奴で、所得税にしろ法人税にしろ、課税されるのは収入そのものではない。「収入-経費」(これを所得と言う)なのである。だから、経費を使いまくって所得を減らせば、税金も減らせる。そして不景気の時は、政府としても皆にバンバンカネを使ってもらって需要を拡大したい。
 だから「これは経費です」「福利厚生費です」と言い張って企業がクルーザーを買って社員に使わせたり、社員を豪華な旅行に連れていったりするというのは、実は社員も嬉しいし政府としても嬉しい、win-winなのである。「会社の経営は、ギリギリ赤字なぐらいが一番いい」と言われるのはこれが理由だし、バブル期の企業の福利厚生がやたらとしっかりしてたのもこれが理由。
 尚、現在の日本では、企業の資金調達として株式(直接金融)が重要になっており、株主に「うちの企業はめっちゃ儲かって超黒字ですよ!うちの株は買いです!」と見せないといけない為、むしろ経費を圧縮している。それに大きな黒字を出せば、そのカネを貯金できる(いわゆる内部留保、自己金融)ので、突然の大不況となった時に自社の貯金で対応できる。
 本当なら、突然の大不況になった時は政府や銀行が融資で助けてあげないといけないのだが、1980年代以降の新自由主義とそれに伴う「自己責任」の風潮の流行以降、そういうのは減ってしまった。だから企業も、倒産したくないから経費を削減し、社員にカネを回さない。そして社員は貧乏になる。悪循環である。
~ここまで雑談~

○消費税

・税金は誰だって大嫌いで、できれば一銭たりとて払いたくないもの
・そんな税金の中でも特に、全方位からいつでもどこでも叩かれているのは、やはり消費税
・この消費税が何故叩かれるかと言うと、【逆進性】があるからである
⇒消費税とはつまり、カネを使えば使っただけかかる税金である。例えば月給百万の人と月給十五万の人がいたとして、その月の内にどれぐらい使うかと言うと…前者は月給の半分も使わないだろうが、後者は殆ど使い切ってしまうだろう。つまり、前者はよくて月給の半分にしか課税されない(月給の50%に課税)が、後者はほぼ全額課税されてしまう(月給の100%に課税)訳である。貧乏人ほど負担が大きく、金持ちをより金持ちに、貧乏人をより貧乏にしてしまう。これが、逆進性である。税金も財政の一種だが、所得再分配機能って知っとるか??? という話

・じゃあ何でそんなやばい税金を導入してしまったかと言うと、ひとつには[クロヨン]問題がある
・戦後日本は直接税が主力だった訳だが、直接税は所得税が主力
・そしてこの所得税は、国民の所得(収入)に対して課税するものである
・しかし税務署は、全国民の所得を的確に把握できない
⇒特に、サラリーマンの所得は九割がた把握できても、自営業は六割、農業は四割ぐらいしか把握できない。9:6:4で、クロヨン
・これにより、「やっぱり直接税よりも間接税の方がいいんじゃね?」という話が出てきた
・こうして、大型間接税として消費税が持ち上がった訳である
⇒まぁ結果どうなりましたかと言うと、消費税導入はバブル崩壊前の好景気期だったのでいいが、税率上げるのは崩壊後の不景気な時期。当然、上げる度に景気が酷い事になっている。まぁ残念でもないし当然だが…消費税はカネを使うたびにかかるものなので、税率を上げると皆カネを使いたくなくなる。ただでさえモノが売れなくて困っているのが不況なのに、消費税上げたら余計にモノが売れないでしょ、という話

・一応、消費税には功績もあって、消費税以前には物品税という間接税があった
・これは、商品の種類によって細かく税率を変えるもの
⇒絨毯は10%、貴金属は15%、普通乗用車は30%、箪笥は20%…みたいに細かく決まっていた
・この物品税、一面では「生活必需品には課税せず、贅沢品だけに課税する」という利点がある
・しかし一方で、問題もあった
⇒例えば、「自分の業界の商品の税率は下げて貰おう」と政治家に働きかける業界が出てくる可能性がある。それこそ、政治家に働きかけた結果新聞は非課税、となったら、新聞は二度と物品税に文句を言わなくなるだろう
・この物品税を、消費税という簡素な形に一本化したというのは、明らかに功績と言える
⇒そして、2019年の消費税10%引き上げ&軽減税率採用で台無しになった。ちなみに新聞は軽減税率が適用になっている。ここのところ新聞が消費税を叩いてる気配がないのは、まぁつまりそういう事ですね…

※ちなみに消費税は、基本的には国税だがちょっと特殊で、地方税でもある。今の消費税は10%だが、実は国の取り分が7.8%、地方の取り分が2.2%と決まっている。この地方の取り分を[地方消費税]と言う

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