令和六年度 大学入学共通テスト追試験 政治・経済 第2問 問7
問題
生徒Yは、食の安全について調べた。次のア〜ウのうち、日本における食の安心・安全に関する記述として正しいものはどれか。当てはまるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、後の①~⑦のうちから一つ選べ。
ア 食品安全基本法制定後に設置された食品の安全性を評価する国の機関は、消費生活センターである。
イ 自身の健康を最優先に栄養バランスを考慮した食品の購入を実践する消費者は、グリーン・コンシューマーと呼ばれる。
ウ 食品などの生産・加工・流通の履歴を明らかにする仕組みを、トレーサビリティの制度という。
① ア
② イ
③ ウ
④ アとイ
⑤ アとウ
⑥ イとウ
⑦ アとイとウ
解説
正解:③
復習用資料:経済分野第二章/消費者問題
・公害問題、環境問題の問題…と見せかけて、実は消費者問題の問題である
⇒アだけ消費者問題の知識で解いて、後は常識の範囲内で判断できる話。勿論、普段から報道を見ていたり、世の中を見る解像度を高くしていたりした方がいい問題ではあるが、時事問題とまでは言えない常識の範囲に収まっていると言える
ア 食品安全基本法制定後に設置された食品の安全性を評価する国の機関は、消費生活センターである。
・消費生活センターはそういう組織ではない
・全国各地に存在する、消費者の相談窓口が消費生活センターである
⇒消費者保護政策の司令塔が消費者庁、末端の消費者の相談窓口が消費生活センター、両者を繋ぐのが国民生活センター。例えば、「これ詐欺じゃないか」みたいになった時、相談する先は最寄りの消費生活センターである
・よって、アは誤文となる
イ 自身の健康を最優先に栄養バランスを考慮した食品の購入を実践する消費者は、グリーン・コンシューマーと呼ばれる。
ウ 食品などの生産・加工・流通の履歴を明らかにする仕組みを、トレーサビリティの制度という。
・続いてイとウを見て「???????」となった人が九分九厘であろう
・「知らんわそんなもん」と思ったのではないだろうか
・しかしイをよく見てほしい
・「グリーン・ナントカカントカ」とか言った場合、普通、地球環境に保護した何かである
・しかしイでは「自身の健康を最優先に栄養バランスを考慮した食品の購入を実践する」とある
・そういうのを「グリーン・うんぬんかんぬん」と名付けて持ち上げるような事は普通、しない
・よってイも恐らく誤文だろう、となる
・そして選択肢から、アイウのどれか一つは正文の筈である
・そう考えると、ウのみが正文であろうと結論できるのである
⇒即ち、問題作成者は恐らく、受験生がグリーン・コンシューマーやトレーサビリティの知識を持っているとは期待せずに本問を作っている。そういう知識がなくても解けるように作られている問題である