令和六年度 大学入学共通テスト追試験 政治・経済 第3問 問6

問題

生徒Xは、違憲審査に関心をもち、法律の規定を違憲と判断した日本の最高裁判所の判例について調べた。最高裁判所の判例に関する記述として最も適当なものを、次の①〜④のうちから一つ選べ。

① 最高裁判所は、共有林の共有者による分割請求を一定の条件の下で制限する森林法の規定が財産権を保障する憲法の規定に違反すると判断した。
② 最高裁判所は、婚外子の法定相続分についての民法の規定が生存権を保障する憲法の規定に違反すると判断した。
③ 最高裁判所は、不良医薬品の供給防止という目的にとって必要性と合理性がないので、薬事法の定める薬局間の距離制限規定が、法の下の平等を保障する憲法の規定に違反すると判断した。
④ 最高裁判所は、一票の価値の格差が合理的に許される範囲を超えているので、公職選挙法の定める衆議院の議員定数配分規定が、職業選択の自由を保障する憲法の規定に違反すると判断した。

#日本国憲法と人権(自由権) #日本国憲法と人権(平等権)

解説

正解:①
復習用資料:政治分野第二章/日本国憲法と人権(自由権)
復習用資料:政治分野第二章/日本国憲法と人権(平等権)

・知識を問う素直な問題
・選択肢全て違憲判決が出ているという点では正しいが、「何権に関する裁判か」で正誤が分かれている

① 最高裁判所は、共有林の共有者による分割請求を一定の条件の下で制限する森林法の規定が財産権を保障する憲法の規定に違反すると判断した。

・正文である

② 最高裁判所は、婚外子の法定相続分についての民法の規定が生存権を保障する憲法の規定に違反すると判断した。

・婚外子法定相続訴訟は最高裁で違憲判決が出ているが、平等権に関する裁判である

③ 最高裁判所は、不良医薬品の供給防止という目的にとって必要性と合理性がないので、薬事法の定める薬局間の距離制限規定が、法の下の平等を保障する憲法の規定に違反すると判断した。

・薬局距離制限事件は最高裁で違憲判決が出ているが、自由権に関する裁判である
⇒もうちょっと言うと、経済的自由の中でも居住、移転、職業選択、外国移住及び国籍離脱の自由に関する裁判である

④ 最高裁判所は、一票の価値の格差が合理的に許される範囲を超えているので、公職選挙法の定める衆議院の議員定数配分規定が、職業選択の自由を保障する憲法の規定に違反すると判断した。

・議員定数不均衡問題に関しては、最高裁は何度か違憲判決を出している
・が、これは平等権に関する裁判である

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