令和七年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第1問 問4

問題

生徒Aと生徒Bは、これまでの探究活動を振り返って会話をしている。次の会話文中の空欄[ ア ]~[ ウ ]に入る語句の組合せとして最も適当なものを後の①~④のうちから一つ選べ。

A:社会のなかには男女間の差別だけでなく、様々な差別があることが指摘されているよね。平等には二種類あるって学んだけれど、差別のない社会を実現する上で、どちらの平等が重視されるべきなのだろうか。
B:「個性や属性にかかわらず、すべての人を同じように扱うこと」という意味での平等は「[ ア ]平等」だと学んだね。法律や制度という点では、こちらの意味での平等は、日本ではかなり実現しているんじゃないのかな。
A:でも、平等を規定した法律が定められていても、事実として差別が残ってしまうことがあるよね。この問題に対してはどうすればいいのだろう。
B:その問題に対しては、クオータ制のような制度を新たに導入することによって、「[ イ ]平等」を実現するやり方があり得るね。
A:差別の問題があることは広く知られていても、実際には差別がなくならないことはあるから、そうした取組みが必要な場合もあるだろうね。
B:例えばアイヌ民族に対する差別については、2019年に[ ウ ]によってアイヌ民族は法律上初めて「先住民族」と明記されたよ。
A:そういえば2020年、北海道白老町に、アイヌ民族の歴史や文化を学ぶことのできる施設である「民族共生象徴空間(ウポポイ)」が完成したね。
B:平等について考えるためには、人々の違いを多様性として捉えて、お互いにその存在を認め合うことが重要だろうね。差別のない社会を作るためには、法律や制度を整えるだけでなく、私たちの真摯な努力が求められていると言えるね。

①ア 形式的   イ 実質的   ウ アイヌ文化振興法
②ア 実質的   イ 形式的   ウ アイヌ文化振興法
③ア 形式的   イ 実質的   ウ アイヌ施策推進法(アイヌ民族支援法)
④ア 実質的   イ 形式的   ウ アイヌ施策推進法(アイヌ民族支援法)

#人権の拡大 #日本国憲法と人権(平等権) #「公共」「公共、政治・経済」共通問題
※同年度本試験「公共」第1問の問4

解説

正解:③
復習用資料:政治分野第一章/人権の拡大
復習用資料:政治分野第二章/日本国憲法と人権(平等権)

・長ったらしい文章の割に、直球で知識を聞いてくる問題
⇒大学入試の出来のいい問題では、長ったらしい文章がある場合「空欄の前後だけしか読まない」ではうまくいかないのだが、この問題はそれで解けてしまう

・アとイは、形式的平等と実質的平等のどちらかを聞いてきている

「個性や属性にかかわらず、すべての人を同じように扱うこと」という意味での平等は「[ ア ]平等」だと学んだね。

・この説明が「形式的平等」の説明として適切か? と言われると疑問がなくはないが…

A:でも、平等を規定した法律が定められていても、事実として差別が残ってしまうことがあるよね。この問題に対してはどうすればいいのだろう。
B:その問題に対しては、クオータ制のような制度を新たに導入することによって、「[ イ ]平等」を実現するやり方があり得るね。

・ここの会話文が、明らかに実質的平等(結果の平等)を示している
⇒実質的平等(結果の平等)は、「結果として平等になっているかどうか」を重視する考え方である

・よって、アが形式的、イが実質的である

2019年に[ ウ ]によってアイヌ民族は法律上初めて「先住民族」と明記されたよ

・アイヌ関係の法律の変遷を頭に入れておけば解ける
・この変遷は日本史的ではあるが、たまに大学入試でも出題されるので抑えておこう

     
北海道旧土人保護法 アイヌ文化振興法 アイヌ施策推進法(アイヌ民族支援法)
明治にできた法律 ←を改正してできた法律。人種差別撤廃条約批准に合わせて、批准直後の1997年成立 ←を改正してできた法律。2019年成立。アイヌ民族を「先住民族」としたのが特徴

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