令和七年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第2問 問1

問題

生徒Aの班は「公共」の授業で、公共空間の形成に関して、次の先生の説明を受けた。先生の説明中の空欄[ ア ]~[ ウ ]に入るものの組合せとして最も適当なものを、後の①~⑧のうちから一つ選べ。

先生の説明
 「公共空間」とは、「人間同士のつながりや関わりによって形成される空間」を意味する。そこでは、人々が主体的に参加し、互いの意見を尊重しながらこの空間を形成していくことが期待されている。
 『コミュニケーション的行為の理論』という著書のある[ ア ]によれば、公共空間では対等な立場で自由に意見を交わすという共通理解のもとで、合意を形成していくことが大切であり、そのような合意形成には[ イ ]が必要である。
 また別の哲学者は著書『人間の条件』で、人間の営みを「生命を維持するために必要な営み」である「労働」、「道具や作品などを作る営み」である「仕事」、「人と人とが[ ウ ]営み」である「活動」の三種類に分け、「活動」こそが公共空間を形成する、と論じている。

             
アーレント 対話的理性 言葉を通して関わり合う
アーレント 対話的理性 契約を結んでこれを守る
アーレント 他者危害原理 言葉を通して関わり合う
アーレント 他者危害原理 契約を結んでこれを守る
ハーバーマス 対話的理性 言葉を通して関わり合う
ハーバーマス 対話的理性 契約を結んでこれを守る
ハーバーマス 他者危害原理 言葉を通して関わり合う
ハーバーマス 他者危害原理 契約を結んでこれを守る

#倫理分野 #「公共」「公共、政治・経済」共通問題
※同年度本試験「公共」第4問の問1

解説

正解:⑤
復習用資料:倫理分野

・倫理分野からの出題にして、ほぼ純粋な知識の問題である

『コミュニケーション的行為の理論』という著書のある[ ア ]

・選択肢はユルゲン・ハーバーマスかハンナ・アーレントである

・無論、この著書を覚えていれば正解を選ぶのは容易である
・とは言え、そんな細かい知識まで覚えている受験生は少ないだろう
・実際のところ、ここで分からなくても、イで判断可能である

 ア ]によれば、公共空間では対等な立場で自由に意見を交わすという共通理解のもとで、合意を形成していくことが大切であり、そのような合意形成には[ イ ]が必要である。

・選択肢は「対話的理性」と「他者危害原則」である

・ここに入る適切な単語は、「対話的理性」である
・そして「対話的理性」と言っていた思想家はまさに、ユルゲン・ハーバーマスである
・よってアはハーバーマス、イは対話的理性である
⇒なお、「対話的理性」という言葉を忘れていても、「他者危害原則」を言っていたのがジョン・ステュアート・ミルだと覚えていれば、イに関してはそちらからも解けなくはない。ただ「対話的理性」が「ハーバーマス」に結びつかないと正解に辿り着けないので…

また別の哲学者は著書『人間の条件』で、人間の営みを「生命を維持するために必要な営み」である「労働」、「道具や作品などを作る営み」である「仕事」、「人と人とが[ ウ ]営み」である「活動」の三種類に分け、「活動」こそが公共空間を形成する、と論じている。

・この三種分けは、ハンナ・アーレントに特徴的な思想と言えるだろう
・そしてアーレントが言っていたのはまさに「言葉を通して関わり合う」という事である
⇒ここまで覚えていなくても、話の流れ的に「契約を結んでこれを守る」というような“お堅い”話ではないだろう、というのは何となく察せられる筈である

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