令和七年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第4問 問2
問題
経済のグローバル化に関速して、生徒Xと生徒Yは、日本、アメリカ、インド、韓国、中国、ドイツの2000年以降の貿易収支と一人当たりGDP(国内総生産)との推移を示した次の六つの図を作成し、これらの図をみながら話をしている。後の会話文を踏まえ、国名と図との組合せとして正しいものを後の①~⑧のうちから一つ選べ。
X:図をみると、日本の貿易収支は黒字から赤字に転じることもあったね。そして、一人当たりGDPの伸びも停滞気味だね。
Y:それに対して、隣国の韓国は20世紀末の経済危機を克服し、今世紀以降、貿易収支の黒字を重ねているよ。一人当たりGDPでも韓国は日本とほぼ並んできているね。また、ドイツは、これまで一人当たりGDPが堅調に推移し、貿易収支も黒字が続いてきたようだね。
X:GDPで世界第1位のアメリカと世界第2位の中国の貿易収支の動きはきわめて対照的だね。それにしても、中国の貿易収支の動きと一人当たりGDPの伸びには驚くばかりだね
Y:インドも一人当たりGDPは大きく伸びているね。ただし、インドの貿易収支は毎年赤字を計上しているよ。今後、インド経済も中国経済に続くのかな。
X:世界経済の構図はこれから大きく変わるかもしれないね。
Y:ロシアのウクライナ侵攻もあったし、これまでの経済のグローバル化も曲がり角に来ているのかもしれないね。
①インド―図ア 韓国―図イ 中国―図ウ
②インド―図ア 韓国―図エ 中国―図ウ
③インド―図イ 韓国―図ア 中国―図エ
④インド―図イ 韓国―図ウ 中国―図エ
⑤インド―図ウ 韓国―図イ 中国―図ア
⑥インド―図ウ 韓国―図エ 中国―図ア
⑦インド―図エ 韓国―図ア 中国―図イ
⑧インド―図エ 韓国―図ウ 中国―図イ
解説
・まるで教員室で交わされていそうな中身のない会話を読んで、どの図がどの国か類推する問題
・基本的には国語の問題であるが、米中新冷戦についての知識が多少なりともあると、尚よい
⇒2000年代にBRICSが伸びて以降、中華人民共和国はひたすら貿易黒字、アメリカ合衆国はひたすら貿易赤字である。アメリカ合衆国の製造業の壊滅や、ドナルド・トランプの大統領就任もこの話の延長線上にある
・図は一人当たりGDPと貿易黒字・赤字を示している
・問題文から、どの国がどのような傾向を示しているかをまとめると以下のようになる
一人当たりGDP | 貿易収支 | |
---|---|---|
大韓民国 | 「日本とほぼ並んできている」 | 「今世紀以降、貿易収支の黒字を重ねている」 |
アメリカ合衆国 | 特に情報なし | 中華人民共和国と真逆 |
中華人民共和国 | 「伸びには驚くばかり」 | アメリカ合衆国と真逆 |
インド共和国 | 「大きく伸びている」 | 「毎年赤字を計上」 |
・これだけでは正直、正答を出すのは厳しい
・しかしここに、米中新冷戦についての知識を突っ込むと、以下のようになる
一人当たりGDP | 貿易収支 | |
---|---|---|
大韓民国 | 「日本とほぼ並んできている」 | 「今世紀以降、貿易収支の黒字を重ねている」 |
アメリカ合衆国 | 特に情報なし | ずっと赤字 |
中華人民共和国 | 「伸びには驚くばかり」 | 2000年代以降、大幅な黒字 |
インド共和国 | 「大きく伸びている」 | 「毎年赤字を計上」 |
・続いて、それぞれの図の特徴を見てみよう
|一人当たりGDP|貿易収支|
|:—-:|:—-:|
|図ア|最初から高く、伸びは緩やか(40ぐらいから60ぐらい?) ずっと赤字|
|図イ|猛烈に伸びている(2あるかないかから10以上、5倍ぐらい) ずっと黒字|
|図ウ|緩やかに伸びている(15行かないぐらいから30ちょい、2倍ぐらい) ずっと黒字|
|図エ|猛烈に伸びている(0.5ないぐらいから2.0行かないぐらい、4倍ぐらい) ずっと赤字|
・ここまで来れば、後は照らし合わせるだけである
・例えばずっと黒字の図は二つ(図イ図ウ)、ずっと黒字の国も二つ(大韓民国、中華人民共和国)ある
・この内、一人当たりGDPが猛烈に伸びているのは図イと中華人民共和国である
・これで、図イが中華人民共和国というだけでなく、残った図ウが大韓民国という事も分かる
・同様に、ずっと赤字の図は二つ(図ア図エ)、ずっと赤字の国も二つ(米国、インド共和国)ある
・この内、一人当たりGDPが猛烈に伸びているのは図エとインド共和国である
・これで、図エがインド共和国というだけでなく、残った図アがアメリカ合衆国という事も分かる
・まとめると、以下の通りである
インド共和国:図エ
大韓民国:図ウ
中華人民共和国:図イ
アメリカ合衆国:図ア