令和七年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第5問 問2

問題

日本以外の国の労働問題に関心をもった生徒Zは、国際比較のために隣国である韓国の労働政策について調べて報告し、生徒X、生徒Yと話し合っている。次の会話文中の空欄[ ア ]に当てはまる語句と空欄[ イ ]に当てはまる記述の組合せとして最も適当なものを、後の①~④のうちから一つ選べ。

X:Zさんの報告によると、韓国では1980年代終盤から外国人の働く姿が多くみられるようになったんだね。これは、当時の日本でもあった状況だと聞くよ。
Y:外国人労働者の増加をうけて、韓国では1991年に産業技術研修生制度を設けて外国人を研修生として受け入れる制度を導入したんだね。日本でも1993年に[ ア ]を目的として掲げた技能実習制度が導入されたよ。
Z:その後韓国は2004年に外国人を労働者として受け入れる雇用許可制を施行したのちに研修生の制度を廃止したんだよ。日本では2018年の出入国管理及び難民認定法(出入国管理法)改正で[ イ ]こととして、翌年施行されたね。
X:こうやってみてくると、今後、外国人との共生を考えるにあたって、同じような状況を抱えている日韓両国は、アジアの中で互いに重要な参照例となりそうだね。

[ ア ]に当てはまる語句
a発展途上国への技能や知識の移転
b日本国内の労働力不足への対応

[ イ ]に当てはまる記述
c「特定技能」の在留資格を新設して、在留資格が与えられる業種を拡大する
d技能実習制度を廃止して、外国人にほぼすべての業種での就労を認める

①ア―a   イ―c
②ア―a   イ―d
③ア―b   イ―c
④ア―b   イ―d

#時事問題 #今日的な福祉問題

解説

正解:①
復習用資料:経済分野第二章/今日的な福祉問題

・地域共生社会問題の中でも特に、外国人労働者関係の知識を問うてくる問題である
・この問題で使う知識は、教科書どうこうを抜きに、ニュースを見ていればよく耳にする話題である
・そういう意味では、常識で解ける時事問題であるとも言えるだろう

Y:外国人労働者の増加をうけて、韓国では1991年に産業技術研修生制度を設けて外国人を研修生として受け入れる制度を導入したんだね。日本でも1993年に[ ア ]を目的として掲げた技能実習制度が導入されたよ。
a発展途上国への技能や知識の移転
b日本国内の労働力不足への対応

・Yの言う「技能実習制度」とは明らかに、外国人技能実習制度の事である
・そしてこの制度、確かに「日本国内の労働力不足への対応」として悪用されている面がある
・あるのだが、少なくとも建前上は「発展途上国への技能や知識の移転」が目的である
⇒だから制度の名前が「外国人技能実習制度」なのである

日本では2018年の出入国管理及び難民認定法(出入国管理法)改正で[ イ ]こととして、翌年施行されたね。
c「特定技能」の在留資格を新設して、在留資格が与えられる業種を拡大する
d技能実習制度を廃止して、外国人にほぼすべての業種での就労を認める

・外国人技能実習制度は、現代の奴隷制・人身売買として批判も多い
・それもあって、廃止して育成就労制度へと移行する、という話になっているのは事実である
・ただ、廃止と移行は令和九年以降が目途であり、令和七年現在はまだ現役である
・況して、2018年に技能実習制度を廃止している訳がない
⇒ちなみに、技能実習制度廃止と育成就労制度への移行に関する法案が国会で可決されたのが令和六年の夏である。その半年後の共テでこの問題が出た訳で、割としっかりめの時事問題である。勿論特定技能について知っていても解ける問題ではあるのだが

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