令和七年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第5問 問4

問題

労働法について調べた生徒Yは、だれもが相互に契約を締結しその内容を自由に決めることができるという資本主義経済における契約自由の原則が、労働契約においてはそのままでは当てはまらないことを知った。その理由を示した記述として最も適当なものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

①労働者と使用者は、効率的な生産の実現に向けて分業や協業の関係を構築しなければならず、契約の締結に政府の介入が容認されるため。
②労働者と使用者は、労働条件をめぐってしばしば対立し、結果として争議行為が発生して生産活動が止まったときの企業の損失を避けるため。
③労働者と使用者は、形式上は対等な主体として契約を締結したとしても、実際には立場の弱い労働者に不利な内容となる可能性があるため。
④労働者と使用者は、商品の品質について共同で責任をもつだけでなく、それぞれの活動が社会に及ぼす影響についても配慮する必要があるため。

#法の支配と法治主義

解説

正解:③
復習用資料:政治分野第一章/法の支配と法治主義

・法の支配と法治主義の中でも、非常に基本的な、法の種類の知識を問う問題である
⇒定期試験でも受験でも、まずは基本問題を落とさない事。難問奇問は二の次三の次。この問題のような、基本的な知識を聞いてくる問題は絶対に外さないようにしたい

・今回聞かれているのは、社会法の知識である
※労働法は社会法の代表例

・法にも色々ある。社会法は、上記の通り、実定法の中でも成文法の一種である
・成文法は、公法、私法、社会法の三種に分かれている

・公法は、国家と私人(個人や企業)の関係、手続きを規定する法である
⇒憲法、刑法、地方自治法、民事訴訟法、刑事訴訟法等

・私法は、私人と私人の関係を規律する法である
⇒民法、商法等。各私人間の関係を、なるべく自由かつ平等に扱おうとする傾向にある

・ところで私人と言っても、個人と企業では持つ力が違い過ぎる
⇒個人と企業を対等な存在として扱い、企業を自由にさせ過ぎるとどうなるか? 企業は「社員の給料を下げる自由」「社員の労働時間を増やす自由」「目障りな社員をクビにする自由」を堂々と行使するようになるだろうし、個人がこれに対抗するのは大変である

・こうして、個人を保護し、実質的な平等を実現させる法が必要となる。社会法である
⇒労働基準法、独占禁止法等

③労働者と使用者は、形式上は対等な主体として契約を締結したとしても、実際には立場の弱い労働者に不利な内容となる可能性があるため。

・社会法の知識があれば、この③が正文である事は一発で分かるだろう

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