令和七年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第6問 問5
問題
生徒Yは、消費者を保護する法制度による対策の例について調べ、その内容を次のメモにまとめた。メモ中の空欄[ ア ]に当てはまる記述と空欄[ イ ]に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の①~⑧のうちから一つ選べ。
メモ
企業間の競争が激化すると、コスト削減などのために企業が製品の安全性を軽視し、消費者に被害が生じることがある。こうした問題に対処するために消費者を保護する法制度が整備されており、そうした法制度の一例として製造物責任法がある。日本の製造物責任法では、消費者が企業に賠償を求めるためには、[ ア ]。
消費者に生じる被害への対策は、一般に、問題の発生を防ぐために企業の参入の前や製品の販売の前に規制を行う事前規制と、問題を発生させた企業を取り締まったり被害者の救済を図ったりする事後規制の二つに分類される。日本の製造物責任法に基づき企業に賠償責任を負わせることは、その二つのうち、[ イ ]に分類される。
[ ア ]に当てはまる記述
a製品の欠陥の証明と企業の過失の証明とが両方とも必要である
b製品の欠陥の証明は必要であるが、企業の過失の証明は不要である
c製品の欠陥の証明は不要であるが、企業の過失の証明は必要である
d製品の欠陥の証明と企業の過失の証明とが両方とも不要である
[ イ ]に当てはまる語句
e事前規制
f事後規制
①アーa イーe ②アーa イーf ③アーb イーe
④アーb イーf ⑤アーc イーe ⑥アーc イーf
⑦アーd イーe ⑧アーd イーf
解説
正解:④
復習用資料:経済分野第二章/消費者問題
・製造物責任法(PL法)の知識を問いつつ、国語力も問うてくる複合問題である
日本の製造物責任法では、消費者が企業に賠償を求めるためには、[ ア ]。
・ご存知製造物責任法は、無過失賠償責任で有名な法律である
⇒「欠陥商品を製造した者は、過失がなくとも賠償しなければならない」が無過失賠償責任
・と言っても、何でもかんでも欠陥品なら全部賠償、という訳ではない
・例えば、「この商品には欠陥がある」というのは、被害者側が証明せねばならない
・また、開発危険の抗弁、というのもある
⇒その商品を開発し、販売した(流通させた)時点での科学技術では予想不可能な危険については賠償しなくていい、というもの。まぁこれすらも認めないと、誰も新商品を作らなくなるので…
b製品の欠陥の証明は必要であるが、企業の過失の証明は不要である
・という訳で、このbが、製造物責任法の特徴をよく説明している選択肢となる
消費者に生じる被害への対策は、一般に、問題の発生を防ぐために企業の参入の前や製品の販売の前に規制を行う事前規制と、問題を発生させた企業を取り締まったり被害者の救済を図ったりする事後規制の二つに分類される。日本の製造物責任法に基づき企業に賠償責任を負わせることは、その二つのうち、[ イ ]に分類される。
・製造物責任法は、“欠陥商品で被害を受けた人が、製造企業を訴える”方式の法律である
・となればこの法は当然、「製品の販売の前に規制を行う事前規制」ではない
・むしろ、「被害者の救済を図ったりする事後規制」であると言えよう