令和七年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第2問 問1
問題
若者議会で三人に求められているのは、現代社会における社会保障の課題を整理し、若い世代として、それらの課題にどのように取り組むことができるかについて提言することである。三人は、「公共」の授業内容を振り返り、若い世代がどのように社会に参画してきたのかという点に焦点をあて、青年期における自己の在り方と社会との関わり方について考えてみた。社会的に「大人」となるためには、身体的な成熟だけでなく、心理的・社会的な成熟が求められていることが、授業のテーマとなっていた。このテーマに関する次の記述ア〜ウは、後の記述X・Yのいずれに該当するか。それぞれの組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑥のうちから一つ選べ。
ア 大人としての責任や社会的義務が、部分的に猶予される
イ 親や年長者の考え方や、社会的権威に反抗する
ウ 一定の儀式を経ることで、社会的な地位や社会的役割が与えられる
X 人の一生には、七五三や成人式のように、人生の節目に行われる行事がある
Y 人の一生には、自分自身をよく知り、独自の価値観や人生観を体得し、精神的な自立を実現する時期がある
①X―アとイ Y―ウ
②X―アとウ Y―イ
③X―ア Y―イとウ
④X―イとウY―ア
⑤X―イ Y―アとウ
⑥X―ウ Y―アとイ
解説
正解:⑥
・倫理分野の問題…に見せかけた、ただの国語の問題である
⇒倫理分野の、特に“青年期の課題”でよく見る短文を組み合わせる問題なのだが…そもそも“青年期の課題”をやっていなくても、国語力で普通に組み合わせられてしまう
・本問で重要になるのは、“短文ア~ウは必ずXかYに分類される”という点である
⇒即ち、“短文アはXでもないしYでもない”というような話は存在しない。その為、例えば“短文アは明らかにXではないが、だからと言ってYかと言われると微妙じゃないか…?”というような場合でも、Yに分類してしまえばよいのである。そこさえ分かってしまえば、本問は簡単である
ア 大人としての責任や社会的義務が、部分的に猶予される
・明らかに、Xの言う「人生の節目に行われる行事」の話ではない
・むしろ、Yの方が「~する時期」と言ってるだけ、まだ近い
・よって、アはYに分類すべきである
イ 親や年長者の考え方や、社会的権威に反抗する
・反抗期の話っぽいが、やはり明らかに、Xの言う「人生の節目に行われる行事」の話ではない
・一方Yでは、「精神的な自立を実現する時期」と言っており、反抗期の話っぽい感じがある
・よって、イはYに分類すべきである
ウ 一定の儀式を経ることで、社会的な地位や社会的役割が与えられる
・「一定の儀式」は、Xの言う「人生の節目に行われる行事」の話と理解する事が可能である
・また選択肢から見ても、アイウ全部Yというのはあり得ず、ひとつはXが必要である
・よって、ウはXに分類すべきである