令和七年度 大学入学共通テスト追試験 公共、政治・経済 第4問 問3
問題
個人の資産運用に関連して、生徒Xは、家族Jと家計の資産運用について話し合っている。次の会話文中の空欄[ ア ]に当てはまる記述と空欄[ イ ]に当てはまる金額の組合せとして最も適当なものを、後の①~④のうちから一つ選べ。
X:「貯蓄から投資へ」という話を新聞で読んだよ。
J:現金や預金の形で保有されている家計の金融資産を株式や債券で運用してはどうか、という話だね。市場の金利を引き下げる金融政策がなされてきたことが背景にあるよ。ただ、日本では、市中銀行への預金は[ ア ]から、投資に比べてリスクが小さいため、貯蓄も悪くはないよね。
X:資産運用のリスクとリターンのバランスを考える必要があるんだね。じゃあ、余裕資金を年間の利回り10%で運用するケースを考えてみようよ。株式の利回りは株価と配当金の額から計算できるけど、債券の場合はどうかな。
J:すでに市場に出回っている債券なら、発行時に定められた利率が年1.2%で満期が1年後の場合は、額面価格100万円の債券を[ イ ]で購入すれば、1年後には10%の利回りが得られるよね。
[ ア ]に当てはまる記述
a貸金業法によって、上限金利が定められている
b預金保険制度によって、1000万円までの預金元本とその利息が保証されている
[ イ ]に当てはまる金額
c92万円
d108万円
①ア―a イ―c ②ア―a イ―d ③ア―b イ―c ④ア―b イ―d
解説
正解:③
・知識が必要そうな気が一瞬だけするが、実際には国語と算数の問題である
⇒一応、経済分野第四章「日本経済史」の「失われた三十年」でやった預金保険制度とペイオフの知識があればより盤石にはなる。なるが、正直そんな知識なくても…感が強い
ただ、日本では、市中銀行への預金は[ ア ]から、投資に比べてリスクが小さいため、貯蓄も悪くはないよね
・この発言から読み取れるのは、“市中銀行への預金という形での貯蓄も悪くない”である
⇒もうちょっと言うと、その裏付けとして、市中銀行への預金は「リスクが小さい」と言っている。これらを踏まえた上で↓を見てみよう
[ ア ]に当てはまる記述
a貸金業法によって、上限金利が定められている
b預金保険制度によって、1000万円までの預金元本とその利息が保証されている
・aは預金の話をしていないが、bは預金の話をしている。これだけで[ ア ]はbだと分かる
⇒aは「貸金業法」と言っているので。カネを貸す時の話であってカネを預かる時の話ではない。いやまぁ銀行の本業は金貸しと言えばそうだが…筆者の父(元銀行マン)も“俺は悪徳高利貸しや!”言ってたし…とは言え預金業務と貸出業務は全く別の業務なので……
※先に言った預金保険制度とペイオフの知識があれば、bが正文であるという事も分かる。とは言え文脈上bしか入らないので、知らなくても解けてしまう
すでに市場に出回っている債券なら、発行時に定められた利率が年1.2%で満期が1年後の場合は、額面価格100万円の債券を[ イ ]で購入すれば、1年後には10%の利回りが得られるよね。
・これは計算するだけでいい。算数の問題である
・「利率が年1.2%」「額面価格100万円」「満期が1年後」の債券は、1年後いくらになるか?
⇒上記三つの条件から、この債券は、1年後、“100万円”プラス“100万円の1.2%”が貰えるモノである。よって↓のような計算になる
100万円+100万円×0.012=100万円×1.012=101万2000円
・問題文から、この101万2000円が「10%の利回りが得られ」た後の金額になっていればよい
⇒「10%の利回りが得られる」とはつまり、“110%のカネが返ってくる”という事である。例を挙げれば、“100円が、110円になって返ってくる”ということである。つまるところ、101万2000円が[ イ ]の110%になればよい
[ イ ]×1.1=101万2000円
[ イ ]=101万2000円÷1.1
[ イ ]=92万円
・よって、[ イ ]はcの92万円である