令和七年度 大学入学共通テスト追試験 公共、政治・経済 第5問 問2

問題

女性の就業に関連して、生徒Xと生徒Yは、次の資料1と資料2をみながら、女性の働き方について話し合っている。後の会話文中の空欄[ ア ]・[ イ ]に当てはまる記述の組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑥のうちから一つ選べ。

X:日本では、女性の20歳代後半から30歳代の就業率が周辺の年代と比べて低くなるM字カーブは解消してきているのかな。
Y:資料1をみると、2017年にはその年代の女性の就業率も70%に達しているね。
X:たしかに2017年にはM字カーブがある程度解消しているようにみえるけど、[ ア ]。正規雇用と非正規雇用とでは待遇に差があるから、出産や子育てを経験しても正規の職員・従業員として働き続けることができるような政策が必要じゃないかな。
Y:そうだね。だけど、資料2をみると、[ イ ]ことも重要だと思うな。

[ ア ]に当てはまる記述
a1987年に比べて上昇しているのは、非正規の職員・従業員での就業率で、正規の職員・従業員での就業率は低下しているね
b正規の職員・従業員での就業率は、20歳代後半で最も高くなり、それ以降は年齢階級が上がるに従って低下しているね

[ イ ]に当てはまる記述
c女性が非正規の職員・従業員を選択した理由として最も多いのは、「正規の職員・従業員の仕事がないから」だから、企業が、正規の職員・従業員の雇用を拡大する
d女性が非正規の職員・従業員を選択した理由として最も多いのは、「自分の都合のよい時間に働きたいから」だから、企業が、勤務地や勤務時間を限定して雇用する「限定正社員制度」の導入を進める
e女性が非正規の職員・従業員を選択した理由として最も多いのは、「自分の都合のよい時間に働きたいから」だから、企業が、高所得の専門職に労働時間の上限規制を適用しない「高度プロフェッショナル制度」での雇用を拡大する

①ア―a イ―c   ②ア―a イ―d   ③ア―a イ―e
④ア―b イ―c   ⑤ア―b イ―d   ⑥ア―b イ―e

解説

正解:①

・政治経済の知識が必要そうに見えて全く必要ない、純粋な国語の問題である
・但し、独特のいやらしさがある問題でもある
⇒この手の「最も適当なもの」を選べ、という問題、たまに“これが100%正解!”と言える選択肢がない事がある。選択肢bが40%ぐらい合ってて、選択肢aが80%ぐらい合ってる…みたいな場合がある。この問題がまさにそれで、そういう場合、不完全ではあってもパーセンテージが高い方を決断的に選ぶ必要が出てきてしまう。一発勝負の受験では勇気が要る行為だが、この問題では、まさにその勇気が必要である

Y:資料1をみると、2017年にはその年代の女性の就業率も70%に達しているね。
X:たしかに2017年にはM字カーブがある程度解消しているようにみえるけど、[ ア ]

・Yの発言から、資料1を見ればよい事が分かる
・Xの発言から、資料1の2017年がどうなっているかを読み取ればよいと分かる

b 正規の職員・従業員での就業率は、20歳代後半で最も高くなり、それ以降は年齢階級が上がるに従って低下しているね

・bの方が素直な内容なので先にこちらを見てみよう。これは前半と後半に分けて見るとよい

前半:「正規の職員・従業員での就業率は、20歳代後半で最も高くなり」
⇒確かに、資料1の2017年の「正規の職員・従業員」は、25~29歳(薄い灰色)が最も大きい

後半:「それ以降は年齢階級が上がるに従って低下している」
⇒確かに、資料1の2017年の「正規の職員・従業員」は、30~34歳以降ずっと右肩下がりになっている。いやまぁ50~54歳辺りで一度持ち直しているようにも見えるっちゃ見えるのだが…

・となると、bは80%ぐらい合っていそうである。続いてaも見てみよう

a 1987年に比べて上昇しているのは、非正規の職員・従業員での就業率で、正規の職員・従業員での就業率は低下しているね

・こちらは、資料1の2017年と1987年を比べてどうなっているか、を述べている
・こちらも前半と後半に分けて見るとよいだろう

前半:「非正規の職員・従業員での就業率」が「1987年に比べて上昇している」
⇒年齢の指定がないので、“資料1の1987年と2017年で、面積が増えているかどうか”で判断すればよいと思われる。「非正規の職員・従業員での就業率」は資料1の点々部分なので見比べてみると、確かに、点々部分の面積は明らかに増えている

後半:「正規の職員・従業員での就業率は」1987年に比べ「低下している」
⇒「正規の職員・従業員での就業率」は薄い灰色である。比べてみると、どうも怪しい。30代以降の面積は明らかに増えているが、20代後半のピークに関してはむしろ1987年の方が高いし…いやでも全体としては多分これ増えてるよな…多分…多分そうだよな…という感じ

・となると、こちらは40%ぐらい合っているような気がする
⇒80%と40%なら、80%を選ぶ。それが「最も適当なもの」を選ぶ問題である。よって、[ ア ]はbである

※結局、受験問題を出す方も完璧ではない。結果、「細部まで完全に正しいか」はどうでもよくて、「全体として最も筋が通っているのはどれか」ぐらいのノリで考えないといけない…というような場面は多々ある。人間が出題し、人間が解くものである以上、これはある程度仕方ないと割り切ろう。だから作る方もわざとこういう問題作るのはやめてください。やめろって言ってんだろ(圧)

資料2をみると、[ イ ]ことも重要だと思うな

・ここからは[ イ ]の話である。上記の部分から、[ イ ]は資料2を見ればよいと分かる

c 女性が非正規の職員・従業員を選択した理由として最も多いのは、「正規の職員・従業員の仕事がないから」…(後略)
d 女性が非正規の職員・従業員を選択した理由として最も多いのは、「自分の都合のよい時間に働きたいから」…(後略)
e 女性が非正規の職員・従業員を選択した理由として最も多いのは、「自分の都合のよい時間に働きたいから」…(後略)

・こうしてみると、資料2で最も多い理由を使えば、選択肢を絞り込めると分かるだろう
⇒という訳で実際に資料2を見てみると、「自分の都合のよい時間に働きたいから」が全年齢層で最多である。よって選択肢cはあり得ないと分かり、dとeの一騎討ちになる

d(前略)企業が、勤務地や勤務時間を限定して雇用する「限定正社員制度」の導入を進める
e(前略)企業が、高所得の専門職に労働時間の上限規制を適用しない「高度プロフェッショナル制度」での雇用を拡大する

・「自分の都合のよい時間に働きたい」を実現できそうなのはdeのどちらか、と考えればよい
⇒そう考えると、dが適当だろう。「勤務時間を限定して雇用する」というのは、“午前で仕事終わり”とか“勤務時間は13時から17時の4時間だけ”とかそういう話の筈である

・よって、[ イ ]はdである

※逆にeは、「労働時間の上限規制を適用しない」と言っているので、これは一日の労働時間が10時間とか12時間とかになってしまう制度である。労働時間が長くなればなるほど「自分の都合のよい時間」だけ働く、というのはできなくなっていく訳で…

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