令和七年度 大学入学共通テスト追試験 公共、政治・経済 第5問 問4

問題

ジェンダー平等に関連して、生徒Xと生徒Yは、婚姻の際の夫婦同氏制を定める民法の規定の合憲性に関する2015年の最高裁判所判決についての次の資料をみながら話をしている。後の会話文中の空欄[ ア ]・[ イ ]に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の①〜④のうちから一つ選べ。

〇最高裁判所の多数意見「氏は、家族の呼称としての意義があるところ、現行の民法の下においても、家族は社会の自然かつ基礎的な集団単位と捉えられ、その呼称を一つに定めることには合理性が認められる。」
〇岡部喜代子裁判官の個別意見「本件規定は、昭和22年の民法改正後、社会の変化とともにその合理性は徐々に揺らぎ、少なくとも現時点においては、夫婦が別の氏を称することを認めないものである点において、個人の尊厳と両性の本質的平等の要請に照らして合理性を欠き、国会の立法裁量の範囲を超える状態に至っており、憲法24条に違反するものといわざるを得ない。」

(出所)最高裁判所民事判例集69巻8号

X:この判決には、多数意見とは異なる岡部裁判官の個別意見がついているよ。夫婦同氏制をめぐる争いの背景には、[ ア ]が増えて、氏の変更に伴う不利益に直面する人々の存在があるね。具体的な不利益は何だろう。
Y:たとえば、婚姻により氏を変更した場合、その婚姻中は[ イ ]の識別に困難が生じやすくなるね。個別意見もその点に着目しているのかな。
X:この後も繰り返し訴訟が提起されているようだね。もっと調べてみよう。

① ア 婚姻後も就労する女性   イ 変更前の人物と同一人物であるか
② ア 婚姻後も就労する女性   イ 自身の婚内子(嫡出子)との親子関係
③ ア 育児休業を取得する男性   イ 変更前の人物と同一人物であるか
④ ア 育児休業を取得する男性   イ 自身の婚内子(嫡出子)との親子関係

#国語問題 #時事問題

解説

正解:①

・本質的には国語の問題だが、時事問題と言えば時事問題、みたいな微妙な立ち位置の問題である
⇒この問題を解く上で必要な最低限の知識は、“現代日本では、婚姻時に夫婦同姓となる”“規則上は男性女性どちらが改姓してもいいが、実際には女性が改姓する場合が圧倒的に多い”の二つである。後は国語の問題として解ける

※“うーん、これは現代日本の時事に関する知識が必要だから時事問題!w”とかやると何でもかんでも時事問題になっちゃうよね、と言うとそれはそう。一方でこの問題、公明党や立憲民主党が謎に夫婦同姓をプッシュしまくった令和六年に作った共テだからこそ出たんだよね、と言うとそれもそう。故に、“本質的には国語の問題だが、時事問題と言えば時事問題”みたいな微妙な立ち位置になる

[ ア ]が増えて、氏の変更に伴う不利益に直面する人々

・まずは[ ア ]から。この部分から、[ ア ]は女性の話をしていると分かる
⇒何せ「氏の変更に伴う不利益に直面する人々」と言っている。現代日本では“規則上は男性女性どちらが改姓してもいいが、実際には女性が改姓する場合が圧倒的に多い”のである。であれば当然[ ア ]は、実際に氏姓を変更する事の多い女性の話であろう

・選択肢①~④を見ると、[ ア ]は以下のどちらかである

婚姻後も就労する女性
育児休業を取得する男性

・既に見たように、[ ア ]は女性の話である。よって、[ ア ]は「婚姻後も就労する女性」である

たとえば、婚姻により氏を変更した場合、その婚姻中は[ イ ]の識別に困難が生じやすくなるね

・続いて[ イ ]。こちらも氏姓を変更した場合の話だが、そういう人にはどんな問題が起きるかである

変更前の人物と同一人物であるか
自身の婚内子(嫡出子)との親子関係

・これは常識で、ぱっと「変更前の人物と同一人物であるか」だと分かるだろう
⇒氏姓を変更するという事は、名前が変わるという事である。例えば結婚前に取った資格の証明書は、当然、変更前の名前で書かれている。“あれっ、名前違わない?”みたいな事態は当然多発するだろう

・よって、[ イ ]は「変更前の人物と同一人物であるか」である

※ちなみに、「自身の婚内子(嫡出子)との親子関係」だが、氏姓を変更してもこちらに大きな影響は無い筈である。何せ日本国は、世界でも珍しい、戸籍をしっかり作っている国なので…戸籍を見れば、“ナントカさんは、生年月日いついつ、父はナントカ、母はカントカ、続柄は長男”みたいなものが全部載っているのだ

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