令和七年度 大学入学共通テスト追試験 公共、政治・経済 第6問 問5

問題

技術革新と社会的公正との両立に関連して、生徒Yと生徒Zは、人々の健康や保健衛生をめぐる世界的問題群である「グローバル・ヘルス」を取り上げ、調べたことを次のポスターにまとめた。ポスターの内容を踏まえ、ポスター中の空欄[ ア ]に当てはまる解決策として誤っているものを、後の①〜④のうちから一つ選べ。

社会班(Y、Z)「グローバル・ヘルス」における医薬品アクセスの問題

概要 詳細
問題の背景 〇技術革新が進み、新しい医薬品が開発される。
〇だが、新薬開発費用は莫大になる。
〇製薬会社は、新薬の特許が保護されることで、一定期間独占的背景に薬を製造し販売して、開発に投じた費用を回収できる。
〇一方で、医療費は高額になり、医薬品へのアクセスに関しても、先進国と発展途上国の間で格差が生じる。
問題 医薬品アクセスをめぐる格差をどう解決するか。
解決策 より社会的公正を重視した取組みが必要ではないか。
たとえば、国際社会が[ ア ]

①発展途上国に対して、医薬品に関する知的財産権の厳格な運用を義務づける。
②発展途上国に対して、医薬品を共同で購入したものを優先的に供給する仕組みを作る。
③発展途上国の製薬企業に特許の切れた医薬品を大量生産する技術の導入を促して、より多くの発展途上国の人々が医薬品を入手できるようにする。
④先進国の製薬企業の特許権を管理して、発展途上国の製薬企業が医薬品を安価に製造・販売できるようにする。

#国語問題

解説

正解:①

・何故か多くの人が「空欄[ ア ]に当てはまる解決策」を探してしまう奇問である
⇒よく読めば「空欄[ ア ]に当てはまる解決策として誤っているもの」とちゃんと書いてあるのだが、何故か、「空欄[ ア ]に当てはまる解決策」を探してしまう。私が問題演習の授業中いつも言う事だが、“問題文は素早く、ただし全部”読みましょう

※ちなみに、こんな事を偉そうに言っている私自身、最初は「空欄[ ア ]に当てはまる解決策」を探してしまいました。世の中そんなもんです。だからこそ、“問題文は素早く、ただし全部”を肝に銘じましょう

・まず問題文を読むと、大体以下のような話であると分かる

1:新しい薬を作るのってカネがかかるよね ← じゃあ誰が新しい薬作るねん、という問題アリ
2:新しい薬を作れば特許でめっちゃ儲かるようにすれば、民間企業が新薬を作るよね ← 現状
3:でも民間企業が沢山カネを稼ぐって事は、医療費が高いって事だよね ← 現状の問題a
4:特に発展途上国からしたら、高い新薬は手に入りづらいよね ← 現状の問題b
5:じゃあ例えば[ ア ]をすればいいじゃない? ← 現状の問題bの解決策

※1~3は問題文の「問題の背景」に書いてある事、4は「問題の背景」の最後と「問題」の内容をまとめたもの、5は「解決策」に書いてある事である

・これを理解した上で、空欄[ ア ]に入りそうにない選択肢を探せばよい

①発展途上国に対して、医薬品に関する知的財産権の厳格な運用を義務づける。

・知的財産権は、例えば、著作権や特許権を指すものである。そしてこの「特許」、既に見たものである
⇒即ち、先程問題文をまとめたところの2で、新薬を作る企業が儲かる源泉が「特許」だと指摘している。そして、新薬を作る企業が儲かるからこそ1の問題は解消されるが、3で見た“医療費が高い”、4で見た“特に発展途上国からしたら、高い新薬は手に入りづらい”という問題の源泉にもなってしまっているのである

・そんな特許を厳格に運用しなさい、って言ったら…当然、現状の問題は何も解決しない
⇒よって、①は誤文。①が正解である

②発展途上国に対して、医薬品を共同で購入したものを優先的に供給する仕組みを作る。
③発展途上国の製薬企業に特許の切れた医薬品を大量生産する技術の導入を促して、より多くの発展途上国の人々が医薬品を入手できるようにする。
④先進国の製薬企業の特許権を管理して、発展途上国の製薬企業が医薬品を安価に製造・販売できるようにする。

・①が誤文である以上当然だが、②~④は正文である
⇒どれも、“特に発展途上国からしたら、高い新薬は手に入りづらいよね”という問題が解決しそうな方向の施策になっている。言い換えれば、どの選択肢も空欄[ ア ]に入りそうな文章である

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