令和六年度 大学入学共通テスト本試験 政治・経済 第3問 問4

問題

物価に関連して、生徒Xは、GDPデフレーターについて調べ、次のメモを作成した。メモ中の空欄( ア )には後の数値a〜dのいずれか、空欄( イ )には後の語句eかfのいずれかが当てはまる。空欄( ア )〜( イ )に当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後の①〜⑧のうちから一つ選べ。

○GDPには名目GDPと実質GDPがある。
○GDPデフレーターは、基準年の値を100とする物価変動の指標である。
○たとえば、2010年の名目GDPは400兆円、2020年の名目GDPは540兆円、2010年の実質GDPは400兆円、2020年の実質GDPは360兆円である経済を考えた場合、2010年を基準年とした場合の、2020年のGDPデフレーターは( ア )である。
○この結果をみると、基準年と比較して2020年の物価は( イ )したといえる。

( ア )に当てはまる数値
a 66
b 90
c 135
d 150

( イ )に当てはまる語句
e 上昇
f 下降

① ア-a  イ-e
② ア-a  イ-f
③ ア-b  イ-e
④ ア-b  イ-f
⑤ ア-c  イ-e
⑥ ア-c  イ-f
⑦ ア-d  イ-e
⑧ ア-d  イ-f

#計算問題 #経済成長率 #良問

解説

正解:⑦
復習用資料:経済分野第一章/経済成長率

・経済成長率の問題は普通、名目GDPとGDPデフレーターを見せて「実質成長率は?」と聞く
・本問は、名目GDPと実質GDPを出してGDPデフレーターや物価変動を聞く、ひねった問題である
・単純な計算問題ではなく、経済成長率に関する知識も必要な良問である

たとえば、2010年の名目GDPは400兆円、2020年の名目GDPは540兆円、2010年の実質GDPは400兆円、2020年の実質GDPは360兆円である経済を考えた場合、2010年を基準年とした場合の、2020年のGDPデフレーターは( ア )である。

・上記を表にすると、以下のようになる
⇒経済成長率についてきちんと理解していれば、↓の表を見た時点で、「名目GDP伸びてるのに実質GDPむしろ下がってる…って事は実際には超のつく不況だぞこれ……物価がアホほど上がってるだけで、商品の生産量なんかはむしろ減ってるぞ」という感想が出てくる筈である

     
  名目GDP 実質GDP
2010年 400 400
2020年 540 360

・「実質GDP=名目GDP÷GDPデフレーター×100」なので、これを元に計算していけばよい
⇒例えば、2010年は「400=400÷GDPデフレーター×100」⇒「GDPデフレーター=100」

・2020年は「360=540÷GDPデフレーター×100」である
⇒両辺にGDPデフレーターを掛けて「GDPデフレーター×360=540×100」
⇒両辺を360で割って「GDPデフレーター=540×100÷360」
⇒後は計算すると、「GDPデフレーター=150」

・これは要するに、2010年からの十年で物価が1.5倍になったという話である

○この結果をみると、基準年と比較して2020年の物価は( イ )したといえる。

・当然、(イ)に入る言葉は「上昇」となる

results matching ""

    No results matching ""