令和七年度 大学入学共通テスト追試験 公共、政治・経済 第4問 問1

問題

授業での発表に向け、生徒Xと生徒Yは、フィンテックが日本の経済社会に及ぼす影響について話し合っている。次の会話文中の空欄[ ア ]・[ イ ]に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の①〜④のうちから一つ選べ。

X:フィンテックが経済活動を活性化させると期待されているね。
Y:銀行が融資先の信用評価を行う際にAI(人工知能)を使ったり、スマートフォンに決済機能をもたせたりすることだね。ほかにも、ブロックチェーンによって改ざんを防いで取引する[ ア ]が話題になっているよ。
X:そうだね。[ ア ]は、暗号資産とも呼ばれているね。
Y:インターネット上でやりとりできる利便性はあるけど、価格変動を利用した投機的な取引が話題になったように、[ ア ]の価値貯蔵手段の機能は、安定していないかもね。
X:その点、日本銀行券の場合は、法定通貨として[ イ ]があり、金融政策を通じてその価値の安定化が図られているよ。
Y:たしかにね。フィンテックによる金融サービスの広がりについては、価値の安定化を含めて、安全にサービスが利用できる仕組みをさらに考えていかなければならないね。

① ア 仮想通貨   イ 発行できる量の上限
② ア 仮想通貨   イ 強制的な通用力
③ ア 現金通貨   イ 発行できる量の上限
④ ア 現金通貨   イ 強制的な通用力

#通貨とは何か

解説

正解:②
復習用資料:経済分野第一章/通貨とは何か

・「通貨とは何か」をきちんと学んでいれば、ちょっと考えれば分かる問題。落とさないようにしたい

・まず、[ ア ]の選択肢は「仮想通貨」か「現金通貨」である
⇒仮想通貨はビットコイン等。現金通貨は千円札や一万円札、もしくは百円玉や五百円玉といったものを指すものである

ブロックチェーンによって改ざんを防いで取引する[ ア ]

・千円札や百円玉にブロックチェーン技術が使われていたら怖い

[ ア ]は、暗号資産とも呼ばれている

・千円札や百円玉が暗号だったら怖い

[ ア ]の価値貯蔵手段の機能は、安定していない

・千円札や百円玉ですら価値貯蔵できないならもう金貨銀貨の時代まで戻るしかないじゃん…
・…という訳で、[ ア ]は「現金通貨」である

・続いて、[ イ ]の選択肢は「発行できる量の上限」と「強制的な通用力」である

日本銀行券の場合は、法定通貨として[ イ ]があり
※「日本銀行券」は言うまでもなく、一万円札や千円札を指している

・現代の一万円札や千円札は“管理通貨制度”に基づく“不換紙幣”である事を覚えていれば簡単である
ナントカ本位制:兌換紙幣が発行される。兌換紙幣は金や銀との交換が保証される。金と交換なら金本位制
管理通貨制度:不換紙幣が発行される。不換紙幣は、金や銀との交換が保証されないただの紙である

⇒例えば金本位制なら、その国が持っている金の量以上に紙幣を発行できない。即ち「発行できる量の上限」がある。一方、管理通貨制度に基づく不換紙幣にそういう上限はなく、事実上、無限に発行可能である

・よって、「日本銀行券」に「発行できる量の上限」はない。[ イ ]は「強制的な通用力」である

※なお、「強制的な通用力」があるおカネ(“これで支払います”と言われたら断れないおカネ)の事を法定通貨(法貨)と呼ぶが、現代の日本国では、日本銀行法で「日本銀行が発行する銀行券(以下「日本銀行券」という。)は、法貨として無制限に通用する」と定めている
※つまり日本国内では、“一万円札で支払います”と言ってきた客に“駄目です、ドルで払ってください”とか言ったら違法になります

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